がん発見、20年4%減 検診での件数も落ち込み、コロナ影響

がん発見、20年4%減 検診での件数も落ち込み、コロナ影響

がん発見数(2020年)の増減率の推移

 昨年1年間で、全国の医療機関で見つかったがんの件数が2019年に比べ、1施設当たり平均4・6%減ったとの調査結果を国立がん研究センターが25日発表した。検診で見つかったがんの発見件数を、過去4年平均と比べても12%減の落ち込みになった。特に5月の落ち込みが大きく、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言でがん検診が延期されたり、患者が受診を控えたりしたことなどが影響したとみられる。

 20年調査では、全国863施設で23の部位のがんについて集計。20年に医療機関で見つかったがんの件数は104万379件だった。前年の集計がある831施設のデータで比べると、全体では6万409件減り、1施設当たり4・6%減となった。

 さらに、センターは継続して調査に参加している735施設を対象に、胃▽大腸▽肺▽乳房▽子宮頸(けい)部――の五つのがんについて、がんが見つかったきっかけを分析。その結果、昨年1年間で検診によって見つかったがんの症例は11万3442件で、16〜19年の過去4年平均と比べたところ、1万5568件減(12%減)だった。

 一方、自覚症状で見つかるといった検診以外の発見は、過去4年平均比で715件増(0・1%増)とほとんど変わらなかった。

 「検診での発見」「検診以外の発見」とも、緊急事態宣言発令後の昨年5月に大きく減少しており、この月だけでみると、検診での発見は過去4年の同月比で4割減、「検診以外での発見」も2割減った。

 国立がん研究センターの若尾文彦・事業統括は「新型コロナについて分からないことが多い中、受診控えが起きた。今はワクチンを接種できて、医療機関での感染対策も進んでいる。検診を受けてもらい、心配な症状があるときはためらいなく受診してほしい」と呼びかけた。【中川友希】

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