「遊園地を廃止」なぜ? 市民が反対署名活動 神戸の王子公園整備案

「遊園地を廃止」なぜ? 市民が反対署名活動 神戸の王子公園整備案

神戸市が再整備基本方針素案で示した王子公園内の区分け

 神戸市灘区の王子公園(19・2ヘクタール)の再整備計画が波紋を広げている。市は2021年12月に公表した素案で、遊園地やラジオ体操の会場となっているサブグラウンドなど市民に長年親しまれた施設の廃止を盛り込んだ。地元では市民の意見公募を促す動きのほか、計画に反対する署名活動が始まっている。

 公園は1950年に開設。51年に市立王子動物園、56年に王子スタジアムやテニスコートがオープンし、その後もスポーツや文化施設が整備された。

 市は2021年1月、大学を誘致したうえで、老朽化した施設を整理し、「交通便利な立地を生かす」とした再整備方針を表明。同12月、エリアの区分けや廃止施設を示した素案を公表した。

 阪急王子公園駅の最寄りを大学エリアとしてスタジアムを移動▽廃止した遊園地の跡地に立体駐車場を建設▽プール、テニスコート、陸上トラック、サブグラウンドを廃止−−などとする内容だった。17日まで意見を公募するパブリックコメント(パブコメ)を実施。市のホームページなどで市外の人からも受け付けている。

 サブグラウンドを利用する団体職員の松田康之さん(44)は地元の友人ら約10人と実行委をつくり、パブコメへの参加を呼びかける意見交換会を企画。21年12月20日に園内のホールで開き、100人超が詰めかけた。

 サブグラウンドでラジオ体操をしている男性(78)は「毎朝300人くらいが集まっているのに、なぜ廃止対象になったのか」と憤った。子どもと遊園地を利用するという40代の女性は「観覧車は街のシンボル。代わりに立体駐車場がそびえる光景は悲し過ぎる」と嘆いた。民営化で利用料が大幅に値上げされる見通しの市立須磨海浜水族園(スマスイ)の再整備と重ね合わせ、「動物園がスマスイのようになっては困る」との声も相次いだ。

 実行委のメンバーは地元の店舗にパブコメの用紙を置き、市民にSNSで投稿を促している。別の市民グループも16日に集会を開く予定で、テニスコートの利用者の間では計画に反対する署名活動が広がっている。

 久元喜造市長は21年12月の記者会見で「私も遊園地で過ごした思い出は大切にしているが、神戸を若い世代が住む街にする大きな方向性に沿った計画だ。(パブコメの)意見を踏まえ、基本方針を決めたい」と述べた。市は2月中に方針を決め、22年度中に大学を公募する予定だ。実行委の一人で、建築家の阿曽芙実さん(44)は「市は時間をかけて、多くの利用者が納得できる再整備案をまとめるべきだ」と話している。【山本真也】

関連記事(外部サイト)