アステラス製薬の社員自殺、労災認定 上司2人から厳しく叱責

 アステラス製薬の男性社員(当時33歳)が2019年に自殺したのは、業務による心理的負荷が原因だったとして、中央労働基準監督署が労災認定した。遺族らが14日、記者会見して明らかにした。認定は昨年12月24日付。

 遺族の代理人弁護士によると、男性は09年入社。医薬情報担当者(MR)として約6年半勤務し、15年に社内の花形とされる「プロダクトマーケティング部」に異動した。高倍率の選考を通過しての異動だったものの、学会や講演会運営という慣れない業務に体調を崩しがちになる。16年4月には、うつ病の診断を受け、休職と復職を繰り返すようになった。

 その後、関越支店(東京都台東区)に異動。早期退職制度を会社から提示された後の19年12月、自ら命を絶った。「小学生より毎日怒られている」などと、2人の上司から厳しく叱責されていたことをうかがわせる内容が、男性の携帯電話のメモや無料通信アプリのLINE(ライン)上のやり取りに残されていた。

 男性の父親(68)は「親思いの優しい息子だった。悲しみは癒えず、親として助けられなかった悔いもある。アステラスは人の命を守る薬を作っている。社員の命と人権も守ってほしい」と涙ながらに訴えた。

 アステラス製薬は「社員が亡くなったことは大変重く受け止めており、お悔やみ申し上げる。代理人弁護士を通じ、本日労災認定の事実を確認し、理由については把握していないので、現段階で詳細はお答えできない」とコメントした。【小鍜冶孝志】

相談窓口

・いのちの電話

0570-783-556=ナビダイヤル。午前10時〜午後10時。

0120-783-556=フリーダイヤル。午後4時〜同9時。毎月10日は午前8時〜11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。

・日本いのちの電話連盟

https://www.inochinodenwa.org/

・全国のいのちの電話(一覧)

https://www.inochinodenwa.org/lifeline.php

・東京自殺防止センター(NPO法人国際ビフレンダーズ)

03-5286-9090=年中無休、午後8時〜午前2時半(月曜は午後10時半から、火曜は午後5時から)。

https://www.befrienders-jpn.org/

関連記事(外部サイト)