バス業界も出席、初の「安全の集い」 軽井沢ツアーバス事故6年

バス業界も出席、初の「安全の集い」 軽井沢ツアーバス事故6年

スキーバス転落事故から6年となり、現場近くの慰霊碑の前で手を合わせる遺族の(中央右から)田原義則さん、池田彰さん、大谷慶彦さん=長野県軽井沢町で2022年1月15日午後2時15分、西夏生撮影

 長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡したスキーツアーバス事故は15日、発生から6年となった。同日、バスや旅行業の業界団体や国土交通省の幹部ら十数人が出席して、再発防止の方策を協議する集い「安全安心なバス運行を誓う集い」が事故現場付近で初めて開かれた。集いは遺族の働きかけにより、実現した。出席者らはバスの安全運行に対する思いなどを語り、今後も事故発生の日などに集いを継続して開催する方針を確認した。

遺族会呼び掛け「立場を超えて」

 集いの呼びかけは、遺族会「1・15サクラソウの会」代表で、大学生だった次男の寛さん(当時19歳)を亡くした田原義則さん(56)が中心となった。業界団体や国交省に「立場を超えて再発防止を考える機会をもうけたい」と訴え、開催された。

 田原さんはこれまでも、国交省が事故の再発防止策を取りまとめる際に、悪質なバス事業者に対する規制強化を求めてきた。軽井沢町内の事故現場に建立した「祈りの碑」をシンボルとし、交通安全への取り組みの推進も訴えている。今回の集いは、事故に関する記憶の風化を懸念し、提案したという。

 集いには、国交省の木村次郎政務官や日本バス協会の清水一郎会長らが出席した。冒頭以外は非公開で、出席者によると、清水会長は安全最優先の運行を誓ったという。集いの終了後、出席者は「祈りの碑」に花を供え、手を合わせた。

 報道陣の取材に応じた田原さんは「再発防止の決意をよりいっそう強くする特別な場になった。バスの関係者の皆さんが一堂に会して、慰霊することは大きな意味があった」と述べた。

 事故を巡っては、バスを運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)の社長ら2人が業務上過失致死傷罪に問われ公判中。2人は事故の予見可能性を否定して無罪を主張しており、田原さんは「なぜこんなことになったのか、それが明らかになるような裁判になってほしい」と改めて求めた。【皆川真仁】

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