地雷除去後のカンボジアにトラクターを 松山のNPO、資金募る

地雷除去後のカンボジアにトラクターを 松山のNPO、資金募る

2021年に愛媛県からカンボジア・バタンバン州に贈られ、地雷除去後の畑の除草などに活躍しているトラクター=国際地雷処理・地域復興支援の会提供

 カンボジアで内線による地雷や不発弾の処理を続けながら復興を支援する松山市の認定NPO「国際地雷処理・地域復興支援の会」は新たなクラウドファンディング(募金活動)を始めた。「愛媛県からカンボジアへ トラクターと緊急車両を送り、地雷除去後の村に産業拡大の希望と安心を」と題し、車両5台の現地への輸送・維持費として500万円を6月末まで募る。

 支援の会理事長兼現地代表の高山良二さん(75)は元自衛官。日本が初めて国連平和維持活動(PKO)を展開した1992〜93年のカンボジアで施設大隊長補佐として約600人を率いた。定年退官後も「経験を生かせるのはむしろこれから」と、現地での不発弾処理活動などに従事。2011年に支援の会を設立し、集めた資金をカンボジア西部・バタンバン州タサエン村での活動に充て、村で2カ月過ごしては愛媛に1カ月戻るサイクルを続けてきた。

 内戦時にカンボジア国内に埋められた地雷は、今も400万〜600万個が残るとされる。高山さんは同村で地雷除去員を育てながら、復興支援のために地雷除去後の畑で作物を栽培し、キャッサバ芋を原料にした焼酎の商品化にも成功。日本の支援者との橋渡しで小学校建設や井戸の掘削、愛媛などの企業の誘致にも携わってきた。こうした縁で、愛媛県と同州は「友好交流・協力活動の構築に関する覚書」を20年に締結。21年には愛媛県が県立農業大学校で使っていたトラクター1台を同州に贈り、地雷除去後の畑で活用している。

 今回は新たに愛媛県の井関農機、上島、伊方、愛南町、八幡浜地区施設事務組合から県を通じ、トラクター1台▽救急車3台▽消防車1台を州に寄贈。募った寄付金は5台の輸送と維持費に充てる。

 高山さんはロシアによるウクライナ侵攻に、「大変悲しく遺憾な国際情勢。どういう理由があろうともやってはいけないことはやってはいけない」と憤る。一方で「後から来る人たちのために何ができるかが私の人生のテーマ。皆で一緒にそのテーマに向かえば、素晴らしく心地のいい社会ができる」と歩みを進める。資金を獲得次第、10月にも5台を海路でカンボジアに送る計画という。

 問い合わせは国際地雷処理・地域復興支援の会(089・945・6576)。【松倉展人】

関連記事(外部サイト)