廃アルミから高純度アルミ再生 質低下回避・省エネ 東北大開発

廃アルミから高純度アルミ再生 質低下回避・省エネ 東北大開発

純度の低いアルミニウム(左)から、新技術で精製した純アルミニウム=東北大提供

 不純物を大量に含むアルミニウムのスクラップから、少ないエネルギーで純度の高いアルミニウムに再生できる技術を開発したと、東北大などの研究チームが発表した。アルミニウム1キロを精製するのに必要なエネルギーは鉱石から新たに地金を製造するときの半分以下で済み、リサイクルを重ねるたびに品質が低下する問題も回避できるという。

 研究成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

 軽くて加工しやすいアルミニウムは、自動車や航空機の部品などとして広く用いられている。リサイクル率は高いが、一般に使われるアルミ製品はシリコンや銅などを含む合金のため、再生を繰り返すたびに他の元素が蓄積して質が低下する。

 チームによると、これまではアルミニウムのスクラップを溶かして精製するのが常識と考えられてきた。チームは、固体のままの廃アルミニウムを陽極、純アルミニウムを陰極として電気分解する手法を開発。アルミニウムイオンだけが陰極に移行して、純度の高いアルミニウムを回収することに成功した。これまでの方法では難しかったシリコンなどの不純物を分離でき、アルミニウムの純度を90・2%から99・9%に高めるアップグレードリサイクルが可能になったという。

 品質が低下した再生アルミニウムは最終的にガソリン車のエンジン部品などに用途が限られるが、電気自動車への移行が進めば将来的には需要が低下する恐れが指摘されている。チームの盧?(るーしん)・東北大助教は「新技術によって、活用できないアルミニウムが世界中で大量発生するという問題を回避できるのではないか」と話す。【三股智子】

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