東大のアルツハイマー病「J-TRC研究」が新規ステージに

東大のアルツハイマー病「J-TRC研究」が新規ステージに

東大のアルツハイマー病「J-TRC研究」が新規ステージに

アルツハイマー病、超早期の研究と治療を目指す

東京大学の認知症研究開発事業「J-TRC研究」が開始から3年を迎え、ウェブスタディに7,540名、オンサイト研究に333名と、本邦最大級規模の研究参加を達成しました。

J-TRC研究は日本医療研究開発機構(AMED)の支援により2019年より認知症研究開発事業の1つとして開始された「認知症プレクリニカル期・プロドローマル期を対象とするトライアルレディコホート構築研究」により行われている臨床研究。Japanese Trial Ready Cohort for preclinical and prodromal ADの略称です。

アルツハイマー病(AD)の早期・無症候段階にあたり、画像診断やバイオマーカーにより脳にアミロイドβ蓄積等ADの病理学的変化の存在が疑われるが、認知機能は正常であるプレクリニカル期ADの診断と治験に即応できるコホートの構築を目指し、J-TRC研究は開始されました。

下図はJ-TRCウェブスタディの参加状況(2022.1.19時点)。紫線は累計数、青は日別登録数を示す。

下図はJ-TRCオンサイト研究の参加状況(2022.1.18時点)。橙線は累計、青は週毎の組入数を示す。

インターネットを介して研究に参加登録し、ウェブ上での認知機能検査等を継続的に行う「J-TRCウェブスタディ」と、ウェブスタディ参加者等を研究医療機関に招待し、対面での認知機能検査、アミロイドPETスキャン、血液バイオマーカー検査等を行う「J-TRCオンサイト研究」から構成されます。

J-TRC研究では、50歳から85歳までの認知症でない方々に、まず「J-TRCウェブスタディ」にオンラインで登録してもらい、15分程度で実施可能な2種類の認知機能テストを実施し、以降3ヶ月ごとにインターネット上で検査を反復継続します。

将来的なAD発症のリスク上昇が疑われる方を含めて、一部の参加者を、医療研究機関に来院して行う第2段階の「J-TRCオンサイト研究」に招待します。オンサイト研究は東京大、東北大、都健康長寿医療センター、国立精神・神経医療研究センター、国立長寿医療研究センター、大阪大、神戸大の国内7カ所の主要臨床施設で行われ、心理士が対面で行う認知機能検査、アミロイドPETスキャン、血液バイオマーカー等の精密検査を行います。

オンサイト研究の結果アミロイド上昇が疑われる方は、J-TRCコホートに登録して定期的な追跡検査を受け、一部の方は、タウPETスキャンを含む”PAD-TRACK研究“と連携して追跡します。一方、予防・治療薬の治験への参加を希望される方には、対象となるプレクリニカル期やプロドローマル期AD治験に関する情報を提供します。

アルツハイマー病予防・治療薬治験との連携が本格始動へ

今後、PAD-TRACK研究とも連携して本邦プレクリニカル期AD者の特徴や進行過程を解析するとともに、血漿Aβ42に加えて有効性の注目されている血漿リン酸化タウ測定なども併用し、一部コホートでは血漿バイオマーカーによるスクリーニングの先行も試み、PETスキャンによるプレクリニカル期AD診断の効率化を模索します。

さらに本年以降、抗アミロイドβ抗体医薬を含む種々のDMTを用いた複数のプレクリニカル期AD治験が展開されていくことに対応し、参加者の条件と希望に合った治験への参加を支援し、本邦におけるプレクリニカル期ADの超早期治療実現を加速します。

J-TRC研究は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED)認知症研究開発事業の支援を受けて、2024年3月31日までの実施が予定されており、今後もJ-TRCコホートの拡大と治験参加支援を推進していく予定となっています。

詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。

(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)

2万人規模、国内最大のオンラインコホート構築からアルツハイマー病超早期の研究と治療を目指す『J-TRC研究』が新規ステージに―アルツハイマー病・認知症の克服に向けて国際的な予防・治療薬治験との連携が本格始動へ―

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