高齢者の多くが低栄養!? 「シニア食事日記調査」で見えた課題と対策

高齢者の多くが低栄養!? 「シニア食事日記調査」で見えた課題と対策

高齢者の多くが低栄養!? 「シニア食事日記調査」で見えた課題と対策

高齢になると、食が細くなる、噛む力が弱まる、消化機能が衰えるなど様々な理由から栄養状態が悪くなる傾向にあります。きちんと食事を摂っているつもりでも、必要な栄養素が足りていないことも。良好な栄養状態を保ち、身体も心も健やかに過ごすためには、日々の食事が重要な役割を果たします。

高齢者の食事傾向と栄養状態を調査するために行われた「シニア食事日記調査」(2016年日清オイリオグループ)※では、回答者の多くがエネルギー摂取不足となっており、低栄養のリスクがあることがわかりました。調査結果とともに、栄養状態を良好に保つためのポイントを紹介します。

※【シニア食事日記調査の調査概要】
調査期間:2016年8月26日〜9月13日
調査手法:機縁法による食事日記調査(平日2日、土日2日の計4日間の食事を写真撮影)
調査対象者:東京都、神奈川県、埼玉県在住の65歳から79歳の男女40名

低栄養とは、体を動かすためのエネルギーやたんぱく質などの栄養素が不足している状態です。「免疫力が落ちる」「筋力の低下」「骨折しやすくなる」など自立した生活に大きな影響を与える症状が出やすくなるだけでなく、認知機能の低下のリスクも報告されています。
(参考:東京都健康長寿医療センター研究所)

70歳以上の高齢者に必要なエネルギーは、男性で1850〜2500kcal、女性が1450〜2000kcalと言われています。首都圏に暮らす65歳から79歳の男女40名を対象に行われた今回の調査では、7割以上の人でエネルギーやたんぱく質が不足していました。また、日清オイリオグループが行なった別の調査では、48%の人が低栄養状態という結果が出ており、高齢者が高い割合で栄養不足の傾向にあることがわかります。
(参考:日清オイリオグループ 第10回在宅介護事情調査)

以下は「シニア食事日記調査」の対象者が、1日に必要な各栄養素を100%摂取できているか(充足率)を図示したものです。個人差やばらつきはありますが、必要とされるエネルギーを満たしているのは40人中11人に過ぎません。また、野菜が十分に摂れている人はたったの4人となっている一方、塩分は摂りすぎる傾向にあり、栄養バランスが良くないことが伺えます。

「シニア食事日記調査」 調査結果 〜充足率〜

出典:日清オイリオグループ 中央研究所 生活科学研究課「シニア食事日記調査」


今回の調査では、1割強の人が朝食や昼食を摂っておらず(欠食)、1日を通してエネルギー不足の傾向が見られました。また、食事を全て外食にしている人もおり、そういった食事形態の人は野菜摂取量が低い傾向にあります。

「シニア食事日記調査」 調査結果 〜欠食率&外食率〜

出典:日清オイリオグループ 中央研究所 生活科学研究課「シニア食事日記調査」


「シニア食事日記調査」 調査結果 〜エネルギー不足の方の食事例〜

出典:日清オイリオグループ 中央研究所 生活科学研究課「シニア食事日記調査」


さらに、今回の調査では1人で食事をする「孤食」割合が高いほど、エネルギーのほか、特に野菜の摂取が不足している傾向が明らかになりました。中でも男性の一人暮らしでは、エネルギー、野菜の摂取について100%を超えている人はいないという結果になっています。


「シニア食事日記調査」 調査結果 〜孤食割合との関連〜

出典:日清オイリオグループ 中央研究所 生活科学研究課「シニア食事日記調査」


冒頭に記した通り、低栄養状態になると様々な弊害が現れます。バランス良く食べているつもりでも、エネルギーや野菜、筋肉の元であるたんぱく質が不足していたり、塩分を摂り過ぎていたりすることも。とはいえ、日々の食事習慣を大きく変えるのはなかなか難しいものです。今回は、調査の結果見えてきたエネルギーと野菜不足に焦点を当て、ちょっとした工夫で低栄養を改善する工夫を紹介します。

普段の食事に気軽にプラスできる、冷凍野菜やカット野菜を活用しましょう。野菜メニューを1品増やすのは大変ですが、通常メニューに冷凍野菜を追加するだけであれば、手軽に取り組めるのではないでしょうか。自分で調理をしない人も、例えばインスタントのお味噌汁に冷凍のほうれん草をプラスするだけで、野菜摂取量を増やせます。

栄養補助食品を積極的に摂るのもひとつの手段ですが、もっと手軽に普段の食事にプラスできるMCT(中鎖脂肪酸)を試してみてはいかがでしょうか。MCT(中鎖脂肪酸)は素早く代謝されてエネルギーに分解されるため、効率の良いエネルギー補給として医療現場でも活用されています。

MCTオイルは中鎖脂肪酸100%の食用油。中にはパウダー状の商品もありますので、特に食事内容を変える必要もなく、いつものメニューに混ぜるだけで手軽にエネルギーを補給できます。さらに、近年アルツハイマー型認知症への有効性も研究されています。MCTオイルの活用で、身体にも脳にも効率的なエネルギー補給を心がけましょう。

次回の記事では、今回の調査結果から見えた課題を解決するための工夫や、栄養士による食事アドバイスを掲載します。

▼関連リンク
・脳のエネルギー不足を助ける「中鎖脂肪酸」の働き
・生活習慣を見直して認知症を予防しよう
・日々の生活で身体・認知機能の維持改善・向上を目指す 〜グループホームバナナ園横浜山手〜

関連記事(外部サイト)