「健康寿命を延ばすために、今から始められること」

皆さんは「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか。これから少子高齢社会にあたり、キーワードとなる言葉です。現在、厚生労働省では「健康寿命延伸プラン」を作成し、健康寿命を延ばすための取り組みを行います。

今回は、健康寿命についてご説明します。

健康寿命とは、「日常生活に制限のない期間の平均(健康上の問題による日常生活への影響がない期間)」のことを言います。平均寿命とは、この健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均(健康上の問題により日常生活動作、外出、仕事、家事、学業、運動等に制限がある期間)」を合わせた年数となります。



具体的には、2016年の平均寿命は男性が80.98年、女性が87.14年でした。健康寿命は、男性が72.14年、女性が74.79年で、「日常生活に制限のある期間の平均」は男性が8.84年、女性が12.35年でした。例えば、70歳の時に脳梗塞を発症し、左半身麻痺がみられ、要介護3と判定されたとします。この方の場合、70歳までが健康寿命となります。健康寿命が延びれば、健康上の問題がある期間が短くなり、その分医療・介護を利用する期間が減ります。その分、社会で活躍することができます。

厚生労働省では、健康寿命を延ばすための方策として「スマート・ライフ・プロジェクト」を行っています。2040年までの健康寿命の具体的な目標として、男性は75.14年、女性は77.79年を目指します。

「スマート・ライフ・プロジェクト」

少子化により働き盛りの現役世代が減少することは、社会の大きな損失となります。例えば、60歳で定年を迎えたとしても、まだまだ働ける人は多いのが現実です。そのため、高齢者など意欲のある人たちが社会で役割を持ち活躍できる環境を整えることで、いつまでも仕事を続けることができますし、高齢者が就業することで、就業率を高めることにつながります。

このように、心身共に元気で、社会的役割を担い、その人らしい生活を送るためには、健康寿命が延びるように、一人ひとりが健康の維持増進、病気の予防を行うことが重要です。

健康寿命の延伸を図るための方策として、厚生労働省より「健康寿命延伸プラン」という取り組みが行われています。その一部をご紹介します。

1.次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成
(具体策の一例)野菜摂取量増加に向けた取り組み、健康な食事・食環境(スマート・ミール)の認定、子どもの健康情報の一元化、健康に対して無関心層・低関心層へSNSやゲームを活用した啓発活動、など

2.疾病予防・重症化予防
(具体策の一例)保険者に対するインセンティブ措置の強化、個人の予防・健康づくりに関する行動変容につなげる取り組みの強化、歯科検診や保健指導の充実、歯科医療機関への受診を促す、歯科疾患対策の強化を図る、など

3.介護予防・フレイル対策、認知症予防
(具体策の一例)身近な場所で高齢者が定期的に集まり、身体を動かす場づくりを広める、フレイル対策の推進、認知症予防・対策の推進、など

健康寿命が延びることで、高齢者が社会で活躍する場が増えるだけでなく、多様な働き方や役割を担うことは生きがいにつながります。そのためには、一人ひとりが健康を意識し、運動・食事・睡眠など日々の健康づくりに向けた取り組みを実践し続けることが大切です。

参考文献:1)厚生労働省 “健康寿命のあり方に関する有識者研究会報告書”(2019年7月8日アクセス)
2)内閣府 平成30年版高齢社会白書(2019年7月8日アクセス)

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