空き家が地域や社会貢献につながる活用方法

空き家が地域や社会貢献につながる活用方法

空き家が地域や社会貢献につながる活用方法

最近、メディアで空き家問題が多く取り上げられています。今回は、空き家になった時の活用方法をご説明します。

「うちの親は実家に住んでいるけど、まだ元気だから大丈夫…」「いずれ売ることになるとは思うけど、今は両親が住んでいるから。」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ご家族が認知症になった場合、どこに住むか?誰と住むか?という様々な選択肢の結果、空き家になるケースが多いです。

例えば…

父親(85歳):2年前に脳梗塞から右半身麻痺となり、脳血管性認知症と診断を受けた。要介護4。日常生活のほとんどにおいて介助が必要な状態。運転免許を返納した。ケアマネジャーからアドバイスを受けて、週3回の訪問介護や週2回のデイケア、週2回の訪問巡回入浴、夜間対応型訪問介護を利用している。

母親(82歳):主となる介護者。父親との体格差があり、介護するのは大変である。車の免許はなし。買い物は宅配サービスを利用したり、ヘルパーが来ている時に近くのスーパーに買い物に行く。息子に「いつ自分が倒れてしまうか分からない」、「またお父さんが脳梗塞になったらどうしよう」と話すことがある。

息子(56歳):隣の県に住んでいる。一戸建てを5年前に購入した。職場は都内で、通勤時間は約1時間かかる。自宅から最寄り駅まで妻に送り迎えをしてもらっている。妻は看護師で近所のクリニックで働いている。子どもは中学生と小学生の二人。

いわゆる老老介護であり、父親と母親の体格差があり、母親が介護をするのは大変な状況です。また、母親も高齢であることから、母親自身の健康への不安や、父親の再発への緊張感があり、心身共に休める時はヘルパーが来ている時とデイケアに行っている時です。夜間の排せつの介助で4時間半ごとに起きていましたが、排せつのリズムがつかず、失禁する場面も多くなりました。そのため、夜間だけトレーニングパンツを利用し、夜間対応型訪問介護を利用しています。

息子は、いずれは実家を売ることになるだろうと考えていました。しかし、まだ両親が住んでいるので、先延ばしにしていましたが、父親の状態と母親の介護の様子をみて、以下の案を考えました。

案@現状のあらゆるサービスを利用し、住み慣れた実家で両親が生活する。
案A息子一家が実家に転居する。
案B両親が一緒に暮らせる施設に入居してもらう。
案C両親が息子一家の家に転居する。
⇒案Aの場合息子一家の家が、案BCの場合、実家が空き家になります。

上記ケースは一例ですが、どこに住むか?誰と住むか?によって生活環境が変化します。高齢者が住み慣れた家を離れるのは、非常にストレスが大きくなると言われています。例えば、新しい生活の場に慣れない、親しい人と会えない寂しさ、新しい人間関係などから認知機能が低下したり、うつ状態になる場合もあります。

では、空き家はどのような活用方法があるのでしょうか。

空き家を探している人は、NPOや社会福祉法人、個人などの運営者です。例えば、「デイサービスを開きたいが、資金がないため、空き家を安く借りたい。」「子育ての経験を活かして放課後デイサービスを開きたい。小学校の学区内で空き家はあるのかな?」「居場所カフェを開きたいけど、近所に迷惑はかからないかな?」「一人でオフィスを借りるのはお金がかかるけど、シェアオフィスにしたら安くなるのでは?」「平日は都内で、週末は自然の中で暮らしたい」など空き家を活用して起業したり、暮らしたいと考えている人がいます。

しかし、空き家を探している人と空き家を活用して欲しい人と出会う場がありません。空き家を探している人は、自力でその地域をまわって自分の目で探したり、知人や近隣の関係者から紹介してもらったり、同業者から紹介してもらうなど、物件を見つけるまでにかなりの労力を使います。

このような状況をつなぐ立場として、市区町村役所やNPO、一般財団法人 などがあります。空き家を活用してもらいたい場合は、このような団体に相談しましょう。

また、国土交通省??では、空き家を活用して住宅セーフティネット制度を行っています。住宅セーフティネット制度とは、低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、子育て世帯といった住宅確保要配慮者に対して、入居を拒まない空き家や空き室の登録をする制度です。

賃貸人(大家さん)は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない空き家や空き室を、都道府県などの専用のネットワークに登録します。登録された住居は専用のホームページで広く周知されるため、住宅確保要配慮者を確保しやすくなります。

また、登録された空き家や空き室を、一定の条件により改修費などの補助が受けられます。そして、住宅確保要配慮者への居住支援を行うシステムです。

空き家を利用したい人と、空き家を利用して欲しい人のマッチングが重要になります。空き家を空き家のままにせず、誰かに活用してもらうことによって地域や社会への貢献につながると言えるでしょう。

国土交通省では、全国約1万4千の世帯を対象として、『令和元年空き家所有者実態調査』を実施するそうです。しかし、この調査のふりをして、世帯等から個人情報等を詐取する行為をする場合があります。

令和元年空き家所有者実態調査では、

@全ての調査票を郵送にてお送りしておりますので、調査員が伺うことはありません
A金銭を要求することはありません
B銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号、預金額などをお聞きすることはありません

不審に思った際には、以下まで連絡をしましょう。

令和元年空き家所有者実態調査事務局
フリーダイヤル :0120-633-402
設置期間 :令和元年 11 月 1 日(金)〜令和2年2月 28 日(金)
受付時間 :午前 9 時 30 分〜午後 6 時



参考文献:1)国土交通省.新たな住宅セーフティネット制度について.国土交通省.(2019年10月24日アクセス).
2)国土交通省.令和元年空き家所有者実態調査を装った「かたり調査」にご注意ください.国土交通省.(2019年10月24日アクセス).

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