認知症と高次脳機能障害、どう違うの?

認知症と高次脳機能障害、どう違うの?

認知症と高次脳機能障害、どう違うの?

皆さんは、高次脳機能障害という病気を聞いたことがありますか。認知症も高次脳機能障害も脳の病気ですが、違いがあります。

今回は、高次脳機能障害についてご説明します。

高次脳機能障害とは、事故やけが、病気などで脳が損傷を受けた後に起こる後遺症で、脳に損傷を受けた時期が明らかです。

原因の病気として、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、脳の外傷(交通事故、転倒、転落などの事故)、脳炎(細菌やウィルスの感染による病気)、低酸素脳症(溺水、窒息などの呼吸停止、心筋梗塞などで酸素が十分に送られない)、などがあります。

@記憶障害
新しいことを覚えるのが難しい・覚えられない。
少し前の出来事を思い出せない。
忘れ物が多くなったり、約束や物の置き場を忘れてしまう。
同じことを繰り返し質問したり、話をする。

A注意障害
集中力が続かない。気が散って1つのことに集中できない。
ミスが増える。
複数のことを同時にできない。
疲れやすい。

B遂行機能障害
段取り良く物事が進められない。
物事の優先順位がつけられない。
自分で計画して行動できない。
人に指示してもらわないと動けない。
約束の時間に間に合うように行動できない。
急な予定の変更や修正ができない。

C社会的行動障害
感情のコントロールができない(興奮しやすい、暴力をふるう)。
思い通りにならないと怒り出す。
自己中心的・依存的になる。
こだわりが強くなる、しつこい。
コミュニケーションがうまくいかない、人間関係がうまくいかない。

D半側空間無視
片側の空間にある物や人を見落としてしまう。
物や人にぶつかることが多い。

E失語症
話が理解できない。
話そうとしても言葉が出てこない。
文字が読めない、書けない。

高次脳機能障害には上記のような症状などがみられます。人によってあらわれる症状は異なりますので、きちんと受診をして、診断してもらうことが大切です。

まず、発症・外傷を受け、病院で治療を行います。救命処置や治療は脳の損傷を受けた部位や程度、症状によって異なります。状態が落ち着いてくると、リハビリテーションを中心とした治療が行われます。起きる・座る・立つ・歩くといった基本動作から、食事・着替え・排せつ・入浴など日常生活を送る上で必要な動作(日常生活動作)が自立して行えるように訓練を行います。

日常生活動作が自立して行えるようになると、退院して自宅での生活が始まります。しかし、すぐに今までの生活が送れるわけではありません。通院を続けたり、リハビリテーションを継続しながら変化します。そのため、福祉サービスを利用して生活することが重要です。

後遺症の状況によって、以下の対象になる場合があります。
*手や足に麻痺がある、言語障害、視野の障害がある場合⇒身体障害者手帳
*18歳未満に受傷したとき⇒療育医療
*記憶障害や注意障害、社会的行動の障害がある場合⇒精神障害者保健福祉手帳

申請して取得することができる場合があります。主治医に確認をしてみましょう。

高次脳機能障害の症状、回復状況に応じて社会復帰することが大きな目標となります。例えば、突然の交通事故により、高次脳機能障害になったものの、一命を取りとめ、リハビリテーションを継続しながら社会復帰を目標としている人はたくさんいます。しかし、先述の症状により「できること」と「できないこと」が生じます。できないことに目を向けるのではなく、あせらず確実にできることを強みとして、就労できるように支援サービスを受けることができます。

東京都の場合、東京都心身障害者福祉センター、区市町村障害者就労支援センター、障害者就業・生活支援センター、ハローワークなどがあります。

就労に必要な技術面での準備や相談、生活面での支援、などが行われます。就労する上で、今までできたことも難しくなったり、思うように仕事ができない時もあるかもしれません。職場の人間関係や社会資源を利用しながら、あせらず社会復帰をすることが重要です。

高次脳機能障害は認知症と異なり、発症した時期が明らかです。また、リハビリテーションや治療を行うことで徐々に回復し、社会復帰する場合があります。療養生活に戻るまでには時間がかかるかもしれませんが、様々な社会資源やサポートを活用しましょう。

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