菅首相、経済活動維持の転換余儀なく…再び緊急事態

菅首相、経済活動維持の転換余儀なく…再び緊急事態

1都3県の緊急事態宣言再発令決定の会見を行う菅首相のニュースが流れる新宿歌舞伎町(撮影・浅見桂子)

新型コロナウイルスの新規感染者が東京都で2447人、国内の感染者数も7500人以上で過去最多となった7日午後、菅義偉首相が新型コロナウイルス特別措置法に基づく、緊急事態宣言を東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県に再発令した。期間は8日から2月7日まで。感染拡大は歯止めがかからず、医療提供体制の崩壊も迫るなど専門家による諮問委員会により年4月以来となる緊急事態宣言の発令が承認された。

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全国で新規感染者数が過去最多が相次ぐ中、緊急事態宣言が再発令された。会見に臨んだ菅氏は「何としても感染拡大を食い止め減少傾向に転じさせる。1カ月後には必ず事態を改善させる」と決意を語った。これまでの感染拡大を防ぎつつ、経済活動を維持するという政府方針を転換した。

再発令では感染リスクが高いとされる飲食店がターゲットになった。午後8時までの営業時間短縮を要請し、酒類の提供は午前11時から午後7時までとし、要請に応じない店は施設名を公表するなど踏み込んだ。時短要請に応じた飲食店に支払う1日当たりの協力金の上限を現行の4万円から6万円に引き上げ、1カ月あたり最大180万円を支給する。

菅氏は「感染の中心は1都3県。この2週間で全国平均の感染者数の約半分が1都3県に集中している」と地域限定となった理由を説明した。この日、新規感染者が過去最多となった大阪府と愛知県が緊急事態宣言を要請しているものの「状況をみて対応する」(菅氏)と、現時点では必要ないとの考えを示した。

再発令で今夏の東京五輪・パラリンピック開催も懸念される。菅氏は2月7日までに感染拡大が抑えられなかった場合の延長について「仮定の話はできない」と言及を避けたが、昨年、安倍晋三前首相が大会延期を決定した3月24日も迫っている。菅氏は「感染対策を万全にして安心。安全な大会を開催したい」と開催へ変わらぬ意思を示した。

発令解除の基準として西村康稔経済再生相は「東京都で1日あたりの新規感染者が500人に減少することが目安になる」との認識を示した。それに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は「政府に危機感が欠如している。感染拡大を抑えるたるの効果は甚だ疑問。解除は東京で500人レベルでいいのか」と指摘した。

東京都は7日、これまで3500床としていた確保病床数が4000床に増えたと説明、使用率はやや下がって8割程度になった。ただ、なお4759人が入院や療養先を調整中となっている。感染拡大を食い止め、医療崩壊を瀬戸際で防ぐ、正念場の1カ月が始まった。【大上悟】