男性ホルモンの低い人が重症化/井手久満コロナ連載

男性ホルモンの低い人が重症化/井手久満コロナ連載

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コロナ禍のメンズヘルス<2>

新型コロナに感染すると男性は女性より重症化しやすく、さらに死亡する確率が約1・4倍高いことが報告されています。そこに関係しているのが「男性ホルモン」。一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、男性ホルモンの働きは多岐にわたり、男性の生命力を左右するといっても過言ではありません。

大事なことは、健康な人と比べて、男性ホルモンの低い人が新型コロナに感染しやすく、また、重症になっていることがわかってきていることです。では、男性ホルモンとは−。リスクのあるコロナ禍とあって、今こそしっかり知ってほしいと思います。

男性ホルモンにもいくつかあります。代表格は「テストステロン」。これは主に精巣でつくられます。このほかに「ジヒドロテストステロン(DHT)」「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」「アンドロステロン」「アンドロステンジオン」があります。男性ホルモンをわかりやすく言うと、「男性が男性らしく生きるためのホルモン」ということになります。

テストステロンは思春期にドーンとあがることで、「ひげが生えてくる」「精巣が大きくなる」「勃起力が出る」「筋肉がつく」「声変りをする」といった第2次成長が起こります。少年が大人の男になるのです。

このように、テストステロンは男性を形作りますが、そのほかにも「筋肉を作って保持する」「骨を作って保持する」「血液を作って貧血を予防する」「内臓脂肪を減らして肥満を予防する」「動脈硬化を予防する」「認知機能にも関与する」といった働きがあるのです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

◆井手久満(いで・ひさみつ) 1991年宮崎大学医学部卒業。国立がんセンター、UCLAハワードヒューズ研究所、帝京大学等を経て、20年4月から独協医科大学埼玉医療センター教授、低侵襲治療センター長。ロボット支援手術プロクター認定医、日本メンズヘルス医学会理事、日本抗加齢学会理事等。前立腺がん予防や男性ホルモンが研究テーマ。今年9月18〜19日、日本メンズヘルス医学会を会長として開催する。