森雅子法相、進退伺提出も辞任否定「立て直しを」

森雅子法相、進退伺提出も辞任否定「立て直しを」

森雅子法相(2019年11月15日撮影)

東京高検の黒川弘務検事長が緊急事態宣言中に新聞記者らと賭けマージャンをしていた問題で、政府は22日、黒川氏の辞職を閣議で承認した。安倍晋三首相は厳しく責任を追及されたが、いつもののらりくらりトークでかわし続けた。進退伺を提出した森雅子法相も慰留。結局、黒川氏の大甘処分だけで、誰も責任を取らず、逃げ切る構えだ。

首相は衆院厚労委員会で野党統一会派の小川淳也氏らの質問に答えた。閣議承認については「厳正に処分すると報告があった。それを認めた」と答えただけ。森氏の進退伺については「国民の信頼回復に向け全力で取り組んでいただきたい」と慰留したという。その森氏は謝罪したが「検察の立て直しをしなければならないという思いに至った」と辞任を否定した。

首相は、自分の責任についても「国民の健康と命、雇用と事業の継続を守り抜く責任を果たすのが私に課せられた使命だ」といつもの言葉を繰り返すばかりだった。共産党の宮本徹氏が、元検事総長らが意見書でフランスのルイ14世に例えて首相を批判したことに触れ「絶対王政の時代と同じ姿勢だと批判されている。真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ」などと主張すると、首相はやや気色ばんで反論。「多くの方はそれは違うと思うのではないか。私は、民主的な選挙を経て選ばれた国会議員の多数に選出され、ここに立っているわけですから」などと言葉を強める場面もあった。

黒川氏の処分について首相は「厳正な処分」と表現したが、「訓告」は国家公務員にとって懲戒処分よりも軽い。野党からは撤回と厳重処分を求められたが、「検事総長が事案の内容など諸般の事情を考慮し、行った」と繰り返した。黒川氏の定年を延長した1月の閣議決定の撤回も要求されたが、「脱法的なものでなく、延長自体に問題はなかった」と閣議決定は撤回しないとした。菅義偉官房長官は黒川氏の常習性の再調査について「法務省で必要な調査を行ったと聞いている」とし、不要との認識を示した。幕引きを急ぐ姿が逆に、ダメージの大きさと焦りを浮き彫りにしている。