聖火リレー運営指針と協賛キャンペーンの整合性とは

聖火リレー運営指針と協賛キャンペーンの整合性とは

東京五輪の聖火リレートーチ(左)東京パラリンピックの聖火リレートーチ((C)Tokyo 2020)

20年東京五輪の聖火リレーでランナーの応募方法が10日、初めて公表された。第1弾として、他者に先がけて17日に募集を開始する聖火リレースポンサーの日本コカ・コーラが公表した。その応募方法が、ランナー募集に際して販促活動を禁止する聖火リレー運営ガイドラインとの間で、整合性がとれるかとの指摘がある。

ガイドラインは国際オリンピック委員会(IOC)が取り決めたもの。今大会の聖火ランナーへの応募窓口は、日本コカ・コーラ、トヨタ、日本生命、NTTの同スポンサー4社と、都道府県単位の実行委員会を合わせた5通りがある。47都道府県には、いずれか1つの自治体にしか応募できない。大会組織委員会は、どの募集に関しても「販促活動とは切り離さなければならない」と説明してきた。

日本コカ・コーラがこの日、発表したキャンペーンでは「コカ・コーラ社製品を飲んで東京2020オリンピック聖火ランナーになろう!」と銘打った。ランナー応募には「コカ・コーラ オリンピック応援ポイント」が1ポイント必要で、ポイントの取得方法が2つ示された。

1つは同社のアプリ「Coke ON」のカメラ機能で同社製品に付いている「コカ・コーラ オリンピック応援マーク」を読み取る方法。2つ目は同アプリ対応の自販機でコカ・コーラ社製品を購入する方法。特に2つ目は「購入してためる」と明示してある。

同社広報部は「これは販促ではありません」と回答。コカ・コーラ社製品を購入していない場合でも、家族、友人、知人らが持っている製品の応援マークをアプリで読み取ればポイントがたまるからだという。2つ目の「自販機で購入してためる」については、「IOC、組織委と協議して了解を得ています」と説明した。

組織委は、これら応募方法がガイドラインとの間で整合性が取れるか確認作業を行った。1つ目の方法については、同社は12年ロンドン五輪でもマークを撮影して応募する手法を採っていた。過去大会でも採用されていたため、販促には当たらないと判断した。しかし、2つ目の「購入してためる」という部分については、現時点で判断が付かないとした。

聖火リレーランナーは一般市民が直に大会に参加できる希少な機会として、非常に多くの応募が見込まれる。総人数は約1万人で狭き門だ。半世紀に1度のビッグイベント。1ポイントとはいえ、商品が「応募への入り口」となれば応募資格を得るため、多くの人が同社製品を買い求める姿は想像に難くない。

一方で多額のスポンサー料を支払っている中、リレー道中のキャラバン隊で宣伝活動は許されているものの、それ以外、一切の販促活動を禁ずるルールは民間企業にとって厳しいとの見方もある。

五輪は聖火リレーだけでなく、「クリーンベニュー」というルールがあり、競技会場内での宣伝広告は禁じられている。五輪は世界的な注目が集まる一方、直接的な宣伝効果や売り上げにつなげることが難しいとされ、協賛企業はジレンマを抱えることが少なくない。

今後、他3社の応募方法も随時、公表される。いずれにせよ、一般市民に門戸が開かれた募集概要が期待される。