藤井七段が棋聖戦1次予選決勝へ「自信のない展開」

藤井七段が棋聖戦1次予選決勝へ「自信のない展開」

感想戦を行う藤井聡太七段(右)、伊奈祐介六段(撮影・松浦隆司)

史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(16)が11日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦1次予選準決勝で、伊奈祐介六段(43)を破り、1次予選決勝に進出した。

午前中の2回戦では47歳年上のベテラン、東和男八段(63)を破り、1日2勝。プロデビュー以来、1日2勝以上は通算17度目となった。タイトル初挑戦が現実味を帯びていた王座戦敗退などがあったが、再び勢いを取り戻した。

藤井が安定した戦いぶりで白星を重ねた。2回戦のベテラン・東との終盤の激しい攻防は、しっかり読み切った。準決勝でも中盤から鋭い指し回しで、リードを広げ、快勝した。準決勝について「序盤から激戦模様の勝負。自信のない展開でしたが、自玉が安定してきてからは少し指しやすくなった」と振り返った。

前期は2次予選決勝で久保利明九段(43)に敗れ、初の本戦出場を逃した。この日が藤井にとって今期の同棋戦の開幕戦。幸先よく開幕2連勝だ。

うれしいことがあった。9日に師匠、杉本昌隆八段(50)の昇段・昇級を祝う会が名古屋市内で開かれた。藤井は花束贈呈役を務めた。3月、杉本は名人戦順位戦でB級2組へ昇級を決めた。50歳。年齢とともに降級する棋士が多い中、若手の強豪がひしめく順位戦では異例の昇級だった。祝う会で藤井は「師匠の充実ぶりを最近特に感じます」と話した。杉本がよく口にする言葉がある。「棋士として藤井の存在が大きな刺激になっている」。師匠の“復活”の原動力は弟子だった。

1次予選決勝では、平藤真吾七段(55)と竹内雄悟五段(31)の勝者と対戦する。「前期は本戦まで進むことができなかったので、今期はそこを目指していきたい」。棋聖戦のタイトル奪取へ、再スタートを切った。【松浦隆司】

◆棋聖戦 8大タイトルの1つ。全棋士と女流棋士2人が参加する。1次、2次予選の突破者とシード棋士16人で挑戦者を決める決勝トーナメントを行う。優勝者と棋聖が、例年6月から8月にかけて五番勝負を行う。タイトルは豊島将之3冠(棋聖、名人、王位)が保持。現在、90期の五番勝負が豊島と渡辺明2冠(王将、棋王)の間で行われている。