出産後の復職率95%で表彰…その理由とは

出産後の復職率95%で表彰…その理由とは

昨年12月、株式会社彩さ美が「フォーブスジャパン ウーマンアワード2018」の企業部門(企業部門300未満の部)で準グランプリを受賞。代表してトロフィーを手にした山口京子社長

「働き方改革」が叫ばれる中、出産後の復職率95%に達する会社が注目されている。株式会社彩さ美(本社・愛媛県松山市)。同社は、美容事業を国内・海外展開する株式会社ブルーム・クラシック(本社・東京都港区赤坂・田部早巳社長)の100%子会社で、国内直営エステ事業部門を担っている。昨年12月には、女性が活躍できる環境づくりをしている企業を顕彰する「フォーブスジャパン ウーマンアワード2018」の企業部門(従業員300人未満の部)準グランプリを受賞。社員237人をまとめる社長の山口京子氏(54)と営業本部マネジャーの寺本利江氏(43)に、その内情と理由を聞いた。

−まず、受賞の感想を

山口氏 率直にうれしく思います。想像以上に反響があり、お客さま、入社希望者が増えました。スタッフの親御さんにも喜んでいただいています。

−出産後の復職率95%。内閣府が昨年11月に発表したデータでは、第1子出産前後に女性が就業を継続する割合は53・1%なので、とても高い数値です

山口氏 弊社はエステティシャンは全員が女性で、幹部も女性ですが、いろんなことを整えてから出産して戻って来る社員が大半になっています。

−産休の期間は

山口氏 それは個人の判断です。幹部クラスで、半年で戻る人もいますし、1年以上の人もいます。

−ブランクが長いと戻りにくいのでは。不安は

寺本氏 私も出産して1年後に戻って来ましたが、不安はもちろん、ありました。ただ、出勤したらいつもの仲間がいて、全く違和感がなかったんです。入社時から心根が一緒ですから。その上でお客さまから「待ってたよ」と、求められたことがうれしかったです。「自分が必要とされている」という喜びを感じられました。

−同じ心根とは

山口氏 弊社の従業員は入社時から、「自分の能力を試す」「目標を持って生きていく」「自分を成長させる」「人の悪口を言わない」など、親会社の田部社長が築いたフィロソフィー(哲学)を学んで勤務していますから。また、お客さまだった人が、社員になるケースが多いことも、「同じ心根」になるポイントかと思います。

−お客さまが社員に

山口氏 はい。新卒も採用しますが、中途採用者は、お客さまとお話をする中で、美容の志が高い方や私たちに共感してくださる方が多くなっています。8割が20代、お客さま歴が長い30代後半の方もいます。看護師、保育士からの転職が多いですね。

−休み、勤務期間は

山口氏 休みは、ローテーションで週2日が基本です。勤務時間は正午〜午後9時、主婦向けに午前10時〜午後6時、他、個人の事情に合わせた勤務時間の設定が可能です。その点も今回、評価されました。

−復職率の高さが際だっていますが、離職率は

山口氏 正直、1、2、3年目で退職していく社員もいますが、4年目に入った社員が離れていくことは少ないです。ただ、エステティシャンとして、独立を支援するシステムもあり、弊社のライセンス加盟店として、自宅を店鋪にする方もいます。

−待遇面は

寺本氏 悪くないと思います。ただ、それが復職率が高い一番の理由ではなく、平等でガラス張りのランクアップ制度や上司としっかり会話ができて、最終的に方向性を導いてくれる社風も大きいですね。

−社員が女性ばかりだと、難しい面もあるのでは

山口氏 幹部も全員が女性ですが、「人の悪口を言わない」とフィロソフィーも徹底されているので、大丈夫です。

−社員をまとめるにあたり、山口社長自身が気を付けていることは

山口氏 「話し掛けやすい雰囲気をつくる」ことを意識しています。そのために「相手を理解する」「頭から否定はしない」を心掛け、「間違っている」とは思っていても、「なるほど。そうしたいのね」と言うようにしています。指導の中で「しかる」ことはありますが、感情に任せて怒ることはしません。すべては「あなたのために」が基本ですから。

【取材・構成=柳田通斉】

◆「フォーブスジャパン ウーマンアワード2018」 経済誌フォーブスの日本版であるフォーブスジャパンが16年に設立。意欲ある女性が働きやすい環境づくりを積極的に行っている企業と女性を表彰している。国内企業1000社の人事担当者、人事担当役員らから1000人にアンケートを実施。これに加えた一般投票で選ばれた企業と個人の中から、評議員の審査を経て受賞者が決まる。