麻生氏は自身年金も関心なし、報告書責任を金融庁へ

麻生太郎財務相(78)は14日の衆院財務金融委員会で、現在年金を受給しているか問われ、「今受け取るべきか受け取らないか秘書に聞かれた時、『君に任す』と言って以来、正確な記憶はない」と述べ、把握していないことを明かした。

95歳まで生きる場合、公的年金だけでまかなえず、夫婦で2000万円必要とした金融庁金融審議会の報告書で国民の年金不安が広がる中、「国民の不安に寄り添っていない」と指摘された麻生氏は、政界随一の資産家でもある。国会議員互助年金の廃止には「正直驚いた」というが、年金額を真剣に心配したことがあるか問われ、「自分の生活として心配したことはございません」と言い切った。

安倍晋三首相にとって「鬼門」の年金問題が、参院選直前に「老後2000万円問題」として浮上。政府与党は選挙への影響を懸念、受け取り拒否で報告書の存在を消そうとしている。麻生氏は「法令上の問題はない」と反論し、閣議後会見では「作成段階で『こういう表現はいかがなものか』と言えばよかった」と、金融庁の対応を疑問視。委員会で、金融庁が「意味のない数字でミスリーディングした」と謝罪した。現場への責任転嫁のような流れを受け、国民民主党の玉木雄一郎代表はツイッターで「また役人に責任を押しつけて政治家が逃げるのか。許せん」と批判した。

報告書の内容以上に、政府に都合の悪い報告書を受け取らない姿勢に批判が広がる。立憲民主党会派の大串博志氏は「選挙がやばいと、焦って火消しに走るのは前代未聞の逃げ、隠蔽(いんぺい)工作だ」。火消しは、逆効果になりつつある。【中山知子】