快挙17年ぶり直木賞&山本賞ダブル受賞、佐藤究さん「テスカトリポカ」

快挙17年ぶり直木賞&山本賞ダブル受賞、佐藤究さん「テスカトリポカ」

「テスカトリポカ」で直木賞を受賞した佐藤究さん

第165回芥川賞・直木賞の選考会が14日、都内で開かれ、芥川賞は石沢麻依さん(41)の「貝に続く場所にて」(群像6月号)と李琴峰(り・ことみ)さん(31)の「彼岸花が咲く島」(文学界3月号)、直木賞は佐藤究さん(43)の「テスカトリポカ」(KADOKAWA)と沢田瞳子さん(43)の「星落ちて、なお」(文芸春秋)が受賞した。芥川賞、直木賞とも2作受賞となるのは第144回(芥川賞=西村賢太氏、朝吹真理子氏、直木賞=道尾秀介氏、木内昇氏)以来、11年ぶり。

佐藤さんの「テスカトリポカ」は5月に山本周五郎賞を受賞しており、2004年の熊谷達也氏「邂逅の森」以来、17年ぶり2度目の直木賞、山本賞ダブル受賞になった。バイオレンスシーン満載のクライムノベル(犯罪小説)で、選考委員の林真理子さんによると、暴力、子どもの臓器売買など文学にこれだけの残虐性が許されるのか、1時間以上の議論になった。執筆中、夢にうなされたという佐藤さんは「直木賞という大きな賞で是か非かと言ったら、僕も非です。でも現実はこれ以上のことが起こっている。資本主義リアリズムではこういう連中がシステムの背後にいると分かっていただければ」と話していた。【中嶋文明】