パラマラソン、東京都内コース沿道で観客「密」の場所も…雨中に多数観客

パラマラソン、東京都内コース沿道で観客「密」の場所も…雨中に多数観客

男子マラソンで浅草寺の前を通過する選手(撮影・滝沢徹郎)

東京パラリンピック最終日となった5日、国立競技場を発着点とするマラソンが、都内の名所を巡るコースで開催された。五輪のマラソンは暑さが懸念され札幌で行われたが、パラは浅草や銀座、東京タワー(港区)など、当初予定していた五輪と同じコースで行われた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観戦自粛が呼び掛けられていたが、一部の沿道では多くの人が集まった。

国立競技場の周辺には、午前6時ごろから、スタート直後の選手をひと目見ようと人々が列を作った。雨が降りしきる中、子ども連れの家族の姿などが見られ、マラソンの注目度の高さがうかがえた。狛江市から来たという40代の会社員男性は日の丸を振って応援。男性は「一生に1度しかないと思ってきた。一応検温してからきました」と話した。

スタートから15キロ地点の浅草寺・雷門(台東区)の前にはスマートフォンを構えた観客が沿道に押し寄せた。選手が通る度、声を出さずに拍手でエールを送っていた。近くに住むという保育士の浅野俊行さん(26)は段ボールと紙で自作の「応援ボード」を製作した。「生で見る選手は迫力満点でした。声が出せない中で、できることはやりたいと思っていました」と笑顔。40代の会社員女性は「観戦のマナーは守られていたと思う。静かな街で拍手だけが響いていました」と振り返った。

一方で観客の列が二重、三重となり「密」となっている場所もあった。「観戦自粛」と書かれたプラカードをぶら下げていた、アルバイトの20代男性は「立ち止まらないよう呼び掛けても無視する人がほとんどです」と語った。浅草の沿道でマラソンを10回ほど見たという、老舗和菓子店「龍昇亭西むら」の店主西村淳さんは「観客はいつもの5割以下ですが、見たい人は遠くからでも来て集まっている」と話した。

開催前は残暑が懸念されたレースは、気温20度でスタート。雨天の早朝にもかかわらず、マラソンの熱に引き込まれるように、人々は沿道に集まった。東京の街を走るアスリートの姿を、しっかりと目に焼き付けたはずだ。【沢田直人】