残務整理目的の安倍改造内閣/角谷浩一氏

残務整理目的の安倍改造内閣/角谷浩一氏

記念撮影に臨む菅義偉首相(前列中央)(ロイター)

安倍晋三首相の後継となった自民党の菅義偉新総裁(71)が16日、臨時国会で第99代内閣総理大臣に指名された。秋田生まれ史上初の首相が誕生し、東北では岩手生まれの原敬、斎藤実、米内光政、鈴木善幸に続く5人目。しかし、首相官邸のホームページでは出身地の原則を「選挙区」としており、菅氏は「秋田出身」ではなく「神奈川出身」の首相になる。

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政治ジャーナリスト角谷浩一氏 菅内閣の組閣や党人事を見て、まず思い出すのは1982年の第1次中曽根内閣の時に国民が感じたことだ。元首相・田中角栄の影響が強い人事、ことに首相派閥から官房長官を出す慣例を破り田中派の後藤田正晴を起用。田中曽根内閣、直角内閣、角影内閣と言われるほど田中の院政を感じる内閣と言われた。今回はいわば居抜き内閣のようなもので新鮮味はなく、菅首相の思い通りの組閣とは思えない。また、首相の専門分野がわからず、デジタルや万博なども丸投げ感が強い。

一方、海部内閣も党内基盤がぜい弱で田中派(竹下派)支配の延長にあり89年の政権発足時には海部抜きで組閣が行われたといわれ、政治改革法案が廃案になり「重大な決意で臨む」と解散を示唆したが、支えていた竹下派などの党内の賛同を得られず退陣に追い込まれた。今回も第4次安倍内閣の改造内閣のようで官邸官僚の留任も多く、残務整理が目的に見えてしまう。