河野行革相「脱はんこ」業者が理解示しつつ望むこと

河野行革相「脱はんこ」業者が理解示しつつ望むこと

装飾を施したはんこ(鎌倉はんこ提供)

政府は河野太郎行革担当相を旗振り役に、行政手続きの「脱はんこ」化を加速させている。河野氏は「9割以上の行政手続きではんこの使用を廃止できる」と述べたが、行政手続き以外の、婚姻届などの意思決定の場においても、脱はんこの動きが波及している。

全日本印章業協会の担当者は「ここ5〜10年ではんこの年間の売り上げは、2000億円から1700億円まで下がっている」と現状を説明した。国の動きには「不要なものにもはんこは押されてきた。見直しになるということは国民も望んでいると思うので、仕方ないことだ」。どこまで脱はんこが進むか、国の今後の動きを注視している。

神奈川県の印章店「鎌倉はんこ」の担当者は「コロナ禍での業務の効率化、対面を避けるためのデジタル化には反対はしない」と話した。脱はんこの動きに「どこまでをはんこ、デジタル、サインにするのか、きっちりと分ける必要があるのでは。これまでも、結婚など重要な意思決定の場で押印されてきたので、人生の節目の印鑑として残って欲しい」と話した。

一方で、コロナ禍のテレワークも手伝って、文具事務用品メーカー「シヤチハタ」(名古屋市)の、既存の印鑑の印影を電子化し、印鑑として作成し、電子文書に押印できる「電子決裁サービス」が注目を集めている。

担当者は「2月に月2000件だった新規申し込みが、3〜6月の間27万件になった」と反響を明かした。コロナ禍で社内の非効率だった作業などが浮き彫りになったためと分析する。押印履歴が残るため、なりすましや、代理押印などが防止できる。今後は「今は会社内の承認がベースだが、行政の契約など、サービスの幅を広げていければ」と話した。【佐藤勝亮】