JOC山下会長「柔道も詳しかった」中曽根氏悼む

JOC山下会長「柔道も詳しかった」中曽根氏悼む

ハンドボール女子世界選手権のレセプションパーティーに出席した、左から日本サッカー協会田嶋幸三会長、JOC市原則之元専務理事、JOC山下泰裕会長、スポーツ庁鈴木大地長官(撮影・荻島弘一)

日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が29日、中曽根康弘元首相を悼んだ。この日、故郷熊本で行われるハンドボール女子世界選手権(30日開幕)のアンバサダーとして熊本市内でレセプションパーティーに出席した同会長は「来年の東京五輪を見てもらいたかった」と、故人をしのんで話した。

84年ロサンゼルス五輪無差別級で負傷しながら金メダルを獲得。国民栄誉賞を受賞した際には「やすひろ(康弘)からやすひろ(泰裕)へ、と言っていただいた」と懐かしんだ。当時はスポーツと言えば野球や大相撲、ゴルフなどプロスポーツが中心。五輪競技初の受賞に「柔道ではなく、アマスポーツの代表という気持ちだった」と話した。

柔道家が国民栄誉賞に輝いたことが、国民の五輪熱をさらに高めた。「あれからは、多くのオリンピック選手が受賞した。オリンピックスポーツへの国民の理解も深まった。そのきっかけを作っていただいた」と感謝の言葉を口にした。

国民栄誉賞受賞後は食事をともにするなどし「毛沢東が柔道の理念『押さば引け、引かば押せ』を実践したことなど、柔道についても詳しかった。ずっと柔道を学んできた私よりも」と振り返った。そんな元首相の「スポーツ愛」を知るからこそ「残念です」。日本スポーツ界のトップとして迎える来年の東京五輪を前にした訃報に「日本選手が活躍する姿を見ていただきたかった」と、寂しそうな表情で話していた。【荻島弘一】