上野の商店会と東大生が連携しホップ栽培、地ビール「不忍エールエール」に香り付け

上野の商店会と東大生が連携しホップ栽培、地ビール「不忍エールエール」に香り付け

雑居ビルの屋上で採れたホップを手に笑顔を見せる東大生と商店会の関係者ら(永野真義氏提供)

東京・上野の不忍池が見える雑居ビルの屋上で、商店会と東大生が連携し、ビールの原料となるホップの栽培を行っている。

27日には、ホップの収穫体験会を開き、商店会で製造している地ビール「不忍エールエール」の香り付けに使用する。地ビールは25日に不忍池の水上音楽堂で開催される、光と音楽の複合アートライブ「Peace of Light(ピースオブライト)」でも販売をする予定だ。

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地ビールの「不忍エールエール」は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた飲食店を応援する意味が込められている。次世代のまちづくりを考える東大都市デザイン研究室が、商店会と連携して取り組みを行っている。研究室の永野真義助教によると、開発は21年1月ごろから始まった。委託醸造をしていたが、同年12月ごろにクラフトビールとラム料理店の「シノバズブルワリー ひつじあいす」がオープンし、地元で醸造が可能になった。不忍エールエールは爽やかなかんきつ系の香りが売りだ。

雑居ビルの屋上でホップの栽培が始まったのは21年4月。広さ約50平方メートルの屋上で14鉢のホップを栽培している。27日の収穫体験会では地元の関係者など約20人が参加する予定だという。収穫した生のホップはシノバズブルワリーに持って行き、醸造中の不忍エールエールに入れる。香り付けを目的とした「アロマホップ」として使用する。約10日間で収穫したホップが入ったビールが完成し、その数%分の売り上げを次のホップを育てるために還元するという。永野氏は「屋上緑化は環境にも優しい」と話し、その上で「空きスペースとなっている屋上を活用して今後も活動を広げていきたい」と意気込んだ。屋上のホップは幸いなことに台風14号の影響も乗り越えたという。

不忍エールエールは、水上音楽堂で25日に開催されるイベント「ピースオブライト」でも販売を予定している。21年から始まったイベントは上野の街全体で定着を目指しており、3回目の開催。世界的デジタルアーティストの長谷川章氏の「デジタル掛け軸」を上映する。23日に行われたリハーサルでは、カラフルで幾何学模様の光が水上音楽堂を照らした。永野氏は「上野は繁華街ですが、歴史ある街として文化的な夜の楽しみ方を育てたい。クラフトビールによって地元の方が集まって、コミュニティーの場のきっかけになればと思います」と笑顔を見せた。【沢田直人】