「野党再結集の呼びかけ人に」と打診された古賀茂明が返事を保留した理由とは…

「野党再結集の呼びかけ人に」と打診された古賀茂明が返事を保留した理由とは…

「野党が本気で再結集して安倍政権に対抗したいのなら、アベノミクスに負けない新しい経済政策をぶち上げるべき」と語る古賀茂明氏

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、野党再結集の呼びかけ人になることを打診されたという。

返事は保留にしたという古賀氏が考える、野党再結集に必要な政策とは――?

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先日、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の中心メンバーからメールをもらった。文面を読むと、野党の再結集に向けてアクションを起こしたいので、呼びかけ人になってほしいとある。

野党の支持率を見てみると、民進党と希望の党はそれぞれ1%付近。野党の盟主・立憲民主党でも10%に届いていない。この状況で政権与党の自公に対抗するには、バラバラの野党が再び大きな固まりとなる必要がある。

しかし、その際に中心となると目される立憲は、枝野代表が「数合わせの野党再編はしない」と公言しており、再結集への動きを見せていない。そのため、複数の野党の幹部から「あなたたちが音頭をとって野党再結集を呼びかけてはもらえないか」と市民連合へ内々に要請があったらしい。

ただ、市民連合の呼びかけによる野党再編では、世間にリベラル左派の限定的なアクションにすぎないと取られると考えたのだろう。そこで、保守系や中道系、さらには財界などにも支持のウイングを広げようと、大手商社元会長のN氏など、従来のリベラル左派系とは“毛色の異なる人々”にも呼びかけ人のお願いをしているのだという。どうやら、私もその候補のひとりらしい。

メールに添付されていた趣意書に目を通してみた。憲法改正反対、安保法制反対、原発ゼロ、格差是正などの基本方針が並んでいる。これまで私も主張してきたことで、その方向性に特に異論はない。

だが、内容は具体性に欠け、しかもまったく新味がない。昨秋の衆院選など、過去の国政選挙のたびに野党陣営が呼びかけてきた野党共闘の基本政策メニューとほぼ同じだ。

これでは財界の人々が呼びかけ人に加わるのは難しいし、何より本気の「改革」を望む一般市民の支持は広がらない。いろいろ考えて、メールをくれた市民連合の中心メンバーには「国民が期待する新しい政策を追加するべき。このままでは魅力に欠け、再編に失敗した過去の繰り返しになりかねない」と返信することにした。

それでは「国民が期待する新しい政策」とはなんだろう? 私は、国民が成長を実感できる「アベノミクスに代わる経済政策」だと思う。

安倍政権も5年以上も続き、さすがに国民にも飽きが出ている。森友・加計疑惑など、スキャンダルもある。実質賃金もこの5年間で4%も下がっている。なのに、安倍政権の支持率が高止まりしているのはアベノミクスを掲げ、「一億総活躍」や「働き方改革」などの関連政策を次々と打ち出しているからだ。

野党よりは安倍さんのほうが経済をよくしてくれるのではないか――そんな消極的な期待感が自民への一票となっている。

野党が本気で再結集して安倍政権に対抗したいのなら、改憲反対などを叫ぶだけでなく、大幅な規制緩和や賃金アップの処方箋など、アベノミクスに負けない、新しい経済政策をぶち上げるべきだ。企業・団体献金の禁止など、自民にはできない改革メニューも合わせて打ち出すことが必要だろう。

では、その新しい経済政策はどのようにしたら実現できるのか? そのヒントを次週以降探ってみたいと思う。

●古賀茂明(こが・しげあき)




1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。新著は『国家の共謀』(角川新書)。ウェブサイト『Synapse』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

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