コロナ禍ペットブームで急増する飼育放棄が悲しすぎる!

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外出自粛で家にいることが多いからペットでも飼うか。気軽に犬猫との暮らしを始めたら、思ったよりも大変だった。結果、育てることができなくなることも......。飼育放棄の現状を追った!

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■簡単に飼えると思ってしまう

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コロナ禍で自宅にいる時間が多くなり、癒やしを求めて犬や猫などのペットを飼う人が増えている。

社団法人ペットフード協会によると、2020年に新しく飼われたペットの数(1年以内の新規飼育者の飼育頭数)は、コロナ前の19年と比べて犬は約5万8000頭、猫は約6万7000頭増加しているのだ。

一方で、飼ってはみたものの世話が大変などの理由で"飼育放棄"されるペットの数も急増している。

犬猫の保護活動をしているNPO法人「犬猫みなしご救援隊」理事で東京支部長の杉山 遥さんが語る。

「昨年の緊急事態宣言が発令された後、5、6月は子犬、子猫を手放す人が特に多かったですね。それまでは2、3ヵ月に1匹程度だったのが、その頃は1週間に2、3匹保護しました。

コロナ禍で癒やしを求めてペットを飼って、1、2週間で手放す人は『こんなに鳴くとは思わなかった』『こんなに臭いとは思わなかった』『こんなに手がかかるとは思わなかった』といった理由が多いんです」

飼い方や注意点などをよく調べずに、勢いで買ってしまったのだろう。

「ペットショップの説明の仕方に問題があることも多いんです。店員さんから『この犬はあまり吠(ほ)えませんよ』『散歩があまりいりませんよ』と言われれば、『じゃあ、簡単に飼えるな』と思ってしまいますよね。

本当は『この犬種はよく吠えますよ。マンションだと苦情が来る可能性がありますよ』『この犬種は運動能力が高いので一日2時間以上散歩をしないと夜寝てくれませんよ』『この犬種はトイレを覚えにくい犬ワースト3に入っていますよ』と注意点を説明しないと飼育放棄につながりやすいと思うんです」

コロナ禍特有の問題もあったようだ。

「テレビなどの要因もあると思います。外出自粛で街でのロケができなくなったので、動物番組が多くなった。テレビをつけたらかわいい犬や猫の映像が流れていたら、在宅時間が多いし『今なら飼えるかな』って思いがちです。

それに、テレビに出る犬はちゃんとしつけされているんです。人に近寄ってくるし、トイレもちゃんと覚えている。でも、ペットショップなどで買った犬は飼い主がしつけをしないといけない。それで大変になって飼育放棄してしまう人が多いんです」

■成犬のほうが子犬より飼いやすい

東京・世田谷にあるNPO法人「犬猫みなしご救助隊」の犬猫譲渡センター東京支部。ここで保護犬猫たちと触れ合い、新しい飼い主になることもできる

では、飼えなくなった犬や猫はどうなるのか。保健所に持ち込むのか。

「以前は、飼えなくなった犬や猫を保健所や地方の愛護センターに連れていくと引き取ってもらえ、そして、殺処分されました。

しかし、殺処分を減らすために多くの都道府県は引き取ることをほとんどしなくなりました。引き取らなければ、殺さなくてすみますからね」

環境省の「犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」を見ると、2009年の犬猫の処分数は約23万頭だったが、10年後の2019年は約3万3000頭で、約7分の1に激減している。

東京都に限っては、2016年から殺処分ゼロだ。

「殺処分は少なくなったけれども、無責任な飼い主は減っていません。それで飼えなくなった犬や猫は、自分たちで新しい飼い主を探すか、われわれのような民間の動物愛護団体に持ってくるか、捨ててしまうことになる。

だから、この数年で野良猫が急激に増えていますよね。猫は捨てやすいですから。また、犬も地方では人間に慣れた野良犬が増えていると聞いています」

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一方で、最近は動物愛護団体の活動が知れ渡ったことで、飼育放棄された保護犬猫の飼い主になりたいと希望する人も増えている。

「うちにやって来る犬や猫でも、子犬や子猫だと奪い合いになるほどです。保護したその日に連絡がバンバン来ます。しかし15歳くらいになっていたら、同じ犬種でも誰も声をかけてくれません。それでうちで死んでいったりする。

日本はペットショップで買うことが一般的なので、ペットを飼おうと思ったらまずは子犬や子猫のうちからという先入観が強いんです。

でも、今ここにいる9歳の犬は、人に飼われていた経験があるから人を噛(か)んだりすることもないし、トイレも教えなくてもできるし、吠えることもほとんどありません。しつけがされているので、とても飼いやすいんです。

それに比べて子犬は、いたずらはするし、トイレは教えなければできないし、よく吠えるし、すごく手がかかる。子犬を飼うにはそれだけの覚悟が必要なんです。そういったことがあまり理解されていませんよね」

テレビ番組や報道における保護犬の扱い方にも疑問が残る、と杉山さんは語る。

「テレビ映像で保護犬の成犬が出てくると『この犬は捨てられて、心を閉ざしてしまっている......』みたいなナレーションがつきがちで、デメリットばかりが強調されているんです。成犬のメリットもきちんと伝えてほしいです」

日々、増えていく飼育放棄された犬猫たち。しかし、捨てられたからといって、動物愛護団体がすぐに保護できるわけでもない。

「われわれも、適正に飼育できる数しか保護できないんです。愛護団体の運営はどこも厳しい。無理して保護してしまうと共倒れしてしまいますから」

コロナ禍で苦しい思いをしているのは、人間だけではないのだ。

取材・文/村上隆保 写真/iStock、犬猫みなしご救援隊

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