市川紗椰が語る「車内販売」の魅力「路線ごとに個性があって、すごく面白いんです」

市川紗椰が語る「車内販売」の魅力「路線ごとに個性があって、すごく面白いんです」

東北、上越の各新幹線や一部の特急で販売されている「ほや酔明(すいめい)」です

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は鉄道マニアの彼女が、縮小されつつある「車内販売」について語る。

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新幹線や特急列車で行なわれている車内販売のサービス。カートが横を通ると、つい手を伸ばしてしまう方も多いのではないでしょうか。でも、実は近年、サービス縮小の動きが加速していて、いくつもの路線で車内販売が廃止されているんです。

今年に入ってからだけでも、JR北海道とJR四国で、一部の観光列車を除いてすべての車両でサービスが終了しました。JR東日本やJR九州でも、どんどん減っています。

さらに、車内販売は続けるものの、お弁当やサンドイッチがカートから姿を消すというパターンも増えています。そして6月末に、JR東日本が運営する東北新幹線、北陸新幹線、上越新幹線や一部の特急において、ポットで提供していたホットコーヒーの販売が終わってしまったんです。

車内で入れてもらうポットのコーヒーが定番中の定番だと思っていた私としては、「ついにここまできてしまったか」と、車内販売にトドメを刺された感じさえします。

こうしたサービス縮小の理由は、駅ナカの店舗が充実したことにより、車内販売の売り上げが減少していることにあります。確かに私自身、商品が少なく、何か欲しいときに限ってなぜか来てくれない車内販売より、駅構内のお店で済ますことが増えていたので、複雑な心境です。

ただ、車内販売って路線ごとに個性があって、すごく面白いんですよ。例えばカートの形状。カーブの多い北陸新幹線では重心が低くなるように設計されていて、車体にぶつかっても傷つかないように、角にゴムの緩衝材がつけられているんです。

さらに、上越新幹線の「Maxとき」などの2階建て車両では、エレベーターに載せるためにカートがかなり小さめに作られています。

また、アテンダントさんの違いにも注目してみてください。車内販売の商品はそれぞれのアテンダントさんが積むので、陳列に個性と工夫が表れるんです。

例えば、左右対称にきっちり同じ商品を積んでいる人がいます。これは、両側の座席の客に同じ商品を見せるためですね。逆に、あえて左右で別の商品を積んでいる人もいます。行きと帰りで別の商品を見せるためです。

最近では、手書きポップを商品につけているのを見かけたりもします。アテンダントさんが実際に書いているのかはわからないんですが、手書き風のメニューは見ているだけで楽しくなります。

ちなみに、「車内販売で買いたいけど、眠たいな〜」というときってありますよね。そういう場合は、盗られないよう気をつけつつ財布や小銭をテーブルの上に置いておくと、アテンダントさんがこちらに向かってやんわり声をかけてくれたりします。私は、いつも200円くらいを積んで待っていますね。

さらに、窓際に座っていてアテンダントさんに声をかけづらいときは、おもむろに小銭をチャリンチャリンと鳴らしてみてください。これだけで、意外と気づいてくれたりするんです。車内販売のアテンダントさんって、ある意味で"ハンター"なので、お金の動きにものすごく敏感なんですね(笑)。

来週は、各地の車内販売で買える名物商品を紹介します。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時〜)などにレギュラー出演中。冷凍みかんの販売が減っていった理由は、新幹線が速くなって乗車時間が減った結果、解凍する前に到着してしまうからだといわれている

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