モノレールに夢中の市川紗椰「湘南モノレールは文化遺産として誇りに思うべき鉄道」

モノレールに夢中の市川紗椰「湘南モノレールは文化遺産として誇りに思うべき鉄道」

湘南モノレールと。日本で一番エキサイティングな公共交通機関です

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は鉄道マニアの彼女が、日本のモノレールの魅力を語ってくれた。

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以前、ドイツのヴッパタール空中鉄道というモノレールをご紹介しました。たまたま運休していたため乗れなかったんですが、私はこのモノレールに乗るだけのためにドイツの郊外まで行ったんです。そのくらいモノレールが好きです。

私がモノレールに夢中になったのは、ここ10年ほどのこと。正直、それまでは軽視していましたが、海外の鉄道に目を向けるようになってから、日本が"モノレール大国"であることに気づき、奥深さを知りました。今では、街中を縫うように走る姿、無機質な外観、近未来的なあり方の虜(とりこ)です。

モノレールには敷設にまつわる人間くさいエピソードが多いことも魅力なんですが、今回は"乗って楽しい"路線をご紹介したいと思います。

私がイチ押ししたいのが神奈川県の「湘南モノレール」。大船駅から湘南江の島駅までをつなぐ、所要時間14分の短めの路線です。ただ、乗っていて一瞬も飽きさせないジェットコースターのような楽しさがあるんです。

発車するなり後方に飛ばされそうになるほど加速し、S字カーブを勢いよく駆け抜け、急坂を一気に上り下りします。車輪が鉄ではなくゴム製のタイヤを使っているため、そうした爽快感がある走行が可能になるんです。複雑な地形に対応し、完成された街の隙間を探して建設されたことも、その背景にあります。

このモノレールは「懸垂式」といって、レールから車体がつり下がっているタイプなので、カーブを曲がるときに遠心力で振り子のように車両が傾くのも乗り応えにつながっています。

足元にレールがないので、車窓を見ると空中散歩をしているような感覚にもなります。一番地面に近い所では、地上8mまで接近するので、車の真上を走っているように見えます。

今は法律によってもっと高い所に設置することが義務づけられているので、こんなに低い所を走るスリルを味わえるのはこの路線だけになっています。鉄道好きじゃなくても、必ず楽しめます。

さらに、大船観音など名所が眺められるポイントや山岳トンネルを通ったりと、車窓も豊かです。山を抜け、勾配を上りながら見えてくる江の島の海もいいですが、東海道貨物の上を通る箇所もあるので、たまに貨物列車に遭遇できるのが個人的には一番テンションが上がります。

実はこの懸垂式のモノレールは、世界に5つしかありません。そのひとつがヴッパタール空中鉄道で、あとの4つはすべて日本にあります。なかでも、湘南モノレールはお伝えしたような個性があって、海外からわざわざ乗りに来る人がたくさんいます。

海外で鉄道好きと交流すると必ず湘南モノレールについて聞かれますし、紹介動画も海外のサイトのほうがはるかに多いです。日本ではいまひとつ存在感が薄いですが、文化遺産として誇りに思うべき鉄道だと思います。江の島や鎌倉観光の際にはマストです!

ちなみに、同じ懸垂式の「上野動物園モノレール」は、老朽化のため今年11月に運行休止となります。上野動物園内を走る0.3kmの"日本一短いモノレール"は上野の名物のひとつなので、最後に乗りに行くことをオススメします!

★後編⇒市川紗椰が魅力を解説!「モノレール大国」日本が誇る個性的なモノレール

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』などにレギュラー出演中。最近、湘南モノレールのオリジナルノートが発売されたが、大船駅でしか売っていないという商売っ気のなさも好感

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