市川紗椰が魅力を解説!「モノレール大国」日本が誇る個性的なモノレール

市川紗椰が魅力を解説!「モノレール大国」日本が誇る個性的なモノレール

訪問時にまさかの休止だった現役最古のモノレール、ドイツの「ヴッパタール空中鉄道」。車両をモチーフにしたストリートアートと空元気の一枚

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。鉄道マニアの彼女が夢中になっているというモノレール、そのなかでもイチ押しだという湘南モノレールについて熱く語った前回に続き、今回は国内のモノレールについて語る。

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先週に引き続き、国内の個性的なモノレールをご紹介します。

まずは「東京モノレール」。首都圏にお住まいの方には、都心から羽田空港に行くときのアクセス手段としておなじみですね。この路線の楽しいところは、地上から地下へとダイナミックに移動する勾配。

浜松町駅を出発した辺りは首都高と並走するように地上数m上を走っているんですが、いったんさらに高く上がったかと思うと急降下して地下区間に入ります。この勾配が実現できたのも、ゴム製のタイヤだからこそです。

実はこの東京モノレールの初代の「羽田駅」は、羽田空港の移転に伴って地下に埋められました。今、羽田空港のB滑走路と呼ばれている辺りだそうですが、そんな鉄道遺産が地下に埋まっていると思うとロマンを感じます。

ちなみに、1964年の東京オリンピックに合わせて敷設されたこのモノレール。突貫工事で五輪開幕の23日前にやっと開通したということですから、2020年のオリンピックのために今造っているさまざまな建造物も、最終的にはどうにかなるんじゃないかと思います(笑)。

次に、とにかく見てもらいたい部分があるのが「大阪モノレール」。大阪府内を走る全長28kmのモノレールで、かつて世界最長のモノレールとしてギネス世界記録も保持していました。

その部分というのは、車両の行き先を変える分岐。「太陽の塔」の最寄り駅である「万博記念公園駅」のホームから見える位置に分岐器があるんですが、その動きが圧巻なんです。

車両の進行方向に合わせて、レールの途切れたところに別のレールがドッキングするわけですが、太いレールが動くさまは、まるで"道が動いている"ようです。一気に複雑に動きだしてピタッとハマった瞬間には、ピタゴラスイッチ的な快感を覚えます。

この分岐は普段はモーターを使って動かしているのですが、故障などの万が一に備え、人の力で動かせるようになっています。人力で動かす姿を想像すると、ディストピアSFのような泥くささを感じるのは私だけでしょうか。太陽の塔に次ぐ観光名所として、ぜひ見てもらいたいです。

同様に、とにかく見た目がカッコいいのが「北九州モノレール」の「小倉駅」です。ここでは、吹き抜けになっている駅ビルの開口部に吸い込まれるようにしてモノレールが入っていくんです。

駅の中からその様子を眺めると、頭の上に突然モノレールが飛んできたような印象を受けます。一方で外から見ると、駅舎の3階から飛び出してくる車両が、基地から発進する宇宙船やロボ兵器のようで、しびれる光景です。

車両の下にレールがある跨座式(こざしき)モノレールのビジュアルが生かされ、秘密メカ的な印象がより強くなっているように感じます。

世界中に現存する約100のモノレールのうち10路線がある上、テーマパークなどではなく「街の足」として成功している日本は、まさに"モノレール大国"です。

とはいえ、上海には「マグレブ」という営業最高時速430キロを誇るリニアモーター式のモノレールがあったりと、まだまだ奥が深いモノレールの世界。国内勢のさらなる進化を楽しみにしています。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時〜)などにレギュラー出演中。大阪モノレールの車内で流れる「ピンポーン」というチャイム音が、渡辺美里さんの『マイ・レボリューション』の冒頭に聞こえ、続きが聞けない歯がゆさを乗るたびに体験する

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