『小島慶子 気になるカノジョ』──伝統的な女性ロールを果たしていないと評価されない女子アナ戦線

『小島慶子 気になるカノジョ』──伝統的な女性ロールを果たしていないと評価されない女子アナ戦線

「女子アナ」という職業がなくなればいいと思っています。

ORICON NEWSの「好きな女性アナウンサーランキング」は水卜麻美(日本テレビ)が5連覇を達成、殿堂入りを果たした。以下、有働由美子(NHK)、大下容子(テレビ朝日)と今年はベテランアナが躍進。これに加藤綾子(フリー)、大江麻理子(テレビ東京)が続いた。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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かねて「女子アナ」という職業がなくなればいいと思っている小島です。すべての働く女性は、“女子アナ的”とも言えます。仕事に必要なスキル以外に、女性としての役割を求められるのです。男並みに働けよ、でも男よりは出しゃばるなとか、女子力は高めになとか。働き蜂と喜び組を同時にやれと? ブスとかデブとかいじられても笑って受け流せと? セクハラに目くじら立てるのは野暮(やぼ)だと?

最新の「好きな女性アナウンサーランキング」では庶民的で実績のある人が上位にランクインしており、とにかく若くて美人がいいとされていた頃と時代が変わったとされています。けれど重視されているのは、相変わらず「控えめ・出しゃばらない・癒やし・かわいい」などの要素。実力と実績はあっても伝統的な女性ロールを果たしていないと評価されないのですね。

一方で、最近のミスコン参加者はガチの女子アナ狙いから思い出作りに変わっているとか。賢い女性は、いいかげん気づいたのかも。高給取りでも、一生誰かの理想の女を演じなくちゃならないのはばかげていると。酒井順子さんの言う「男尊女子」をやりたいのなら、別だけど。

小島のひとり言







抑制的な局アナの姿は、会社員の分をわきまえろと言われつつ個性を伸ばせとも言われるムチャぶりに悩む、多くのサラリーマンにとって身近なのかも。逸脱もまたその範囲でという微妙なさじ加減が求められます。

●小島慶子(こじま・けいこ)







タレント、エッセイスト。テレビ・ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動する、日豪往復生活。近著に『ホライズン』(文藝春秋)『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)など。

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