長野・白馬で来年1月フリーライドスキーの世界大会「インバウンドに期待」

長野・白馬で来年1月フリーライドスキーの世界大会「インバウンドに期待」

[写真]2016年、フランス・シャモニ会場の競技

 「フリーライドスキー・スノーボード」の世界選手権予選大会をアジアで初めて長野県白馬村で来年1月に誘致・開催することになり、競技団体や村観光局が28日、都内で開いた会見で発表しました。雪の急斜面をスキーやスノーボードで自由に滑降して独創性と美を競うスポーツ。その自由度と楽しさが日本でもファンを増やしているといいます。大会に参加する外国選手や海外からの観客のにぎわいも期待できるとして、村の観光業界は「地域おこしのきっかけにしたい」と意気込んでいます。

タイムを取らずルート選びも自由

 白馬村は実行委員会を発足させ、村観光局とともに主催の予定。大会は来年1月13日〜18日の間の天候の様子を見ながら1日だけ行われ、海外を中心に選手40人が出場。トップクラスの招待選手約10人や、特別枠の日本人選手も参加します。国内の参加者について主催者は今後募集要項を示す予定。

 競技は、白馬村の八方山山頂付近から下方にあるスキー場までの山岳地帯で行われます。

 日本ではあまりなじみのないフリーライドスキーですが、どんな競技かというと、タイムを取らず、出発点からゴールまで自由に滑るのが大きな特徴。一直線に行くのも、曲がりくねったラインを取るのも自由で、滑走中にジャンプや転回などさまざまな技を見せて得点を狙ったり、独自の難しいルートを選んでアピールすることもできます。白馬村観光局の福島洋次郎事務局長は「ラインの選び方や滑りの独創性が注目される競技です」。

白馬の地形と傾斜、雪質が決め手に

 この日はフリーライドスキー・スノーボードの大会・FWT(フリーライド・ワールド・ツアー=Freeride World Tour)を実施する競技連盟(本部・スイス)の代表、二コラ・ハレウッズ氏と白馬村観光局の代表理事、太田文敏氏(副村長)らが会見。太田氏は、「今年1月に競技団体が白馬村を視察、競技に適した環境が整っているとして開催が決まった」と説明しました。

 国内のスキー人口の減少傾向を受けて、白馬村としては、海外の評価が高い同村のスノーパウダーや競技環境を生かして「インバウンドにはずみをつけたい」(太田氏)ところ。

 二コラ・ハレウッズ氏は会見で「白馬を選んだ理由は3つある。まず素晴らしい遊び心のある地形。そして鋭い傾斜があること。一番大事なことは優れた雪質だ。競技団体、自治体などがウインウインの関係で長いお付き合いをしていきたい」と述べ、村など関係者との思惑が合致したことを明らかにしました。

 FWTは1996年にスイスで第1回大会を開き、徐々に規模が拡大して現在は男女のスキー、スノーボードなど合わせて3000人以上が世界を転戦。昨シーズン以降は欧州、北米、南米などで150大会を開いたとしています。

 競技は平均斜度40度、高低差400メートル以上の斜面があることが条件。さらに競技会場まで選手が歩いて1時間ほどでアクセスできる山であること。主催者は白馬の場合3000メートル級の山に宿泊地のリゾートなどから短時間で行けることを含め、総合的に評価されたとしています。

 日本国内ではまだ十分知られていない競技ですが、主催者によると海外では自然志向の高まりを背景にゲレンデ滑走からバックカントリーやフリーライドなど自然の中で楽しむスキー、スノーボードの人気が高まっています。特に日本のパウダースノーは好まれ、バックカントリーを楽しめる国の一つとして評価されている、としています。

 ただ、一般のバックカントリーのスキーやスノーボードは、雪崩や道迷いなどの危険が指摘されているため、主催者側は大会に向けて事前の安全講習会や、一般スキーヤーへの啓発活動に力を入れるとしています。

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■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説