愛媛県 全身トロの新しい高級魚「スマ」大学と共同養殖

愛媛県 全身トロの新しい高級魚「スマ」大学と共同養殖

[写真]大起水産初のスマの解体ショーも行われた=大起水産回転寿司道頓堀店で

 マグロでもない、カツオでもない。全身トロの新しい高級魚「スマ」はあまり知られていない。愛媛県では、このスマの養殖技術開発に2013年から愛媛大学と共同で取り組み、2016年に完全養殖に成功した。この秋からは近畿圏での愛媛県産養殖スマ「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」フェアを続々と展開予定だという。それに先駆け、「大起水産回転寿司道頓堀店」(大阪市中央区)で、スマの知名度アップのPRが行われた。

高級魚として全国へ販売目指す

 幻の高級魚とも言われる「スマ」PRのプレス会では、スマに関する愛媛県の取り組みについての説明があった。愛媛県は、愛媛大学と共同でスマの養殖技術開発を手掛け、中でも高い規格基準を満たした愛媛県産の養殖スマを「伊予の媛貴海」としてブランド化し、2015 年11月19日に名称発表した。そしてクロマグロを超える新たな高級魚として全国へ販売していくことを目指しているという。

 全国に先駆け、近畿圏の消費者へ「伊予の媛貴海」の魅力を届けるフェアを飲食店や百貨店などで続々と開催する運びだ。「阪神百貨店梅田本店」鮮魚売場では「阪神の魚食普及月間」と連動して販売されるほか、大起水産全店で行う「愛媛フェア」のうち大起水産海鮮レストラン堺店などでも味わえる。

 「スマはサバ科のスマ属に属する魚です。マグロやカツオの仲間ですが、スマというお魚もいるということです。近いものにソウダガツオもいますが、全く違います。特別な魚です。スマは南方系の回遊魚で、日本にやって来てるものは主に3キロまでのものが多いですが、大きいものは1メートルを超え、10キロ以上のものもあると言われています。日本では非常に少ないので、幻の高級魚と言われています。脂乗りが特徴で、どれくらい脂が乗っているかというと、マグロの大トロに近い脂乗りだということがわかっています。大きくなるほど脂肪含有量が増えています」(愛媛県農林水産部水産局漁政課主幹、前原務さん)

鯛やブリなどの試食も

 この日は、そんなスマの大起水産初の解体ショーも行われた。伊予の媛貴海の試食だけでなく、愛媛県内の生産者たちの手によって丹精込めて育てられた養殖魚「愛育フィッシュ」の中から、鯛やブリなどの試食も行われた。

 愛媛県の海面養殖生産額は、全国第1位(2014年)だと言われている。試食した記者からは「スマは全身トロのような滑らかい食感で、おいしいです。マグロよりもさっぱりしていて、クセがない」などの感想が多かった。

 ここ数年、世界各国でのマグロ需要が広がり、天然マグロの乱獲が行われたため、マグロ漁獲量を制限する漁獲規制が設けられた。そんな中、マグロの代替品として浮上したのが、マグロに味が似ている「スマ」ということだ。天然スマは希少な魚であるため、養殖の研究が課題だったわけで、今後は養殖スマに注目したいところだ。
(文責/フリーライター・北代靖典)