「牡蠣の早むき選手権」開催 優勝者はアイルランドの世界大会に出場

「牡蠣の早むき選手権」開催 優勝者はアイルランドの世界大会に出場

生牡蠣30個を「速く、美しく」むいていく参加者。左が優勝した岩本武大さん(吉田かずなり撮影)

 牡蠣の産地・アイルランドで毎年開かれている名物イベント「牡蠣の早むき選手権」が、2012年から日本でも開催されている。生牡蠣をいかに速く美しくむけるかを競うこのイベントは、アイルランドでの世界大会の日本予選を兼ねる。9月に埼玉県で開催された、日本大会のようすを取材した。

スピード、美しさ、盛り付けを競う

 9月18日に埼玉県越谷市にあるイオンレイクタウンで開催された、牡蠣の早むき選手権「ジャパン オイスターフェスティバル2016」。岩手県の牡蠣生産者や東京のオイスターバー店員など、全国から12名が腕を競うために参加した。

 牡蠣の早むき選手権は、生牡蠣30個を剥くスピードだけでなく、きちんと貝柱が切れているかなど、むかれた牡蠣や盛り付けの美しさを総合的に評価し、参加者が順位を競い合うイベントだ。2012年初開催され、今回で5回目を迎えた。優勝者は、アイルランドで開催される世界大会へ招待される。

 選手権に先立ち、ニュージーランド大会覇者のジョー・カラシニさん(36)が手本を見せた。普段、牡蠣加工工場で働いているというカラシニさんは、11個の牡蠣を38秒でむいてみせた。カラシニによると、牡蠣むきのコツは「力を入れて開ける」とのこと。

「パスポートがない」で繰り上がり

 選手権が始まると、普段むいている日本産の牡蠣と違う本場・アイルランド産の牡蠣に選手は苦戦する。岩手県山田町から参加した牡蠣むき歴24年の生産者・中村敏彦さん(45)は、生産者の意地を見せたいと意気込んで挑戦したが、敗退。「(アイルランド産の牡蠣は)固くて、開けにくかった。第1回大会以来4年ぶりの挑戦だったが、残念です」と悔しがった。

 優勝者は、神奈川県から来たオイスターバー店員の岩本武大さん(32)。盛り付けの美しさの加点・減点を経たタイムは、他の出場者を圧倒する3分54秒だった。表彰式で、賞状と副賞が贈られた岩本さんだったが、ここでアクシデントが発生する。「パスポートが間に合いません」。急遽、2位だった東京都のオイスターバー店員・栗原奏成さん(24)が繰り上がり、アイルランド世界大会への切符を手にした。

「世界の壁」を痛感

 9月24日、牡蠣の名産地のアイルランド・ゴールウェイ市で、世界大会「第62回ゴールウェイ国際オイスターフェスティバル」が開催された。この大会は1954年から続く同地の一大イベントだ。

 現地に同行した日本大会の主催者「LA DITTA(ラ・ディッタ)」の小里博栄社長によると、ニュージーランド代表のカラシニさんは、出場19人中15位、日本代表の栗原さんは19位に終わった。タイムは、カラシニさんが6分40秒、栗原さんが7分54秒だった。優勝はスウェーデンから来た出場者で、タイムは3分2秒だったという。栗原さんは大会後、「世界の壁を感じさせられた。来年もチャレンジしたい」とコメントした。
(中野宏一/THE EAST TIMES)