自民議員事務所に怪文書 菅首相の首すげ替えて総選挙乗り切る狙いか

自民議員事務所に怪文書か 「政局の幕開け」「菅おろしの序章じゃないか」と波紋

記事まとめ

  • 議員会館の自民党議員の事務所ポストに3月初旬、1通の文書が投げ込まれていたという
  • 総選挙や総裁選について書かれていたが、差出人の連絡先などは不明
  • 識者は「総裁選で菅総理のクビを挿げ替え、総選挙を乗り切ろうということ」と分析

自民議員事務所に怪文書 菅首相の首すげ替えて総選挙乗り切る狙いか

自民議員事務所に怪文書 菅首相の首すげ替えて総選挙乗り切る狙いか

自民党内でも菅義偉・首相の神経を逆なでするような不穏な動きが…

 燃え広がる一方の長男接待騒動にコロナワクチン接種や緊急事態宣言解除など問題山積の菅政権。安倍政権時代に危機管理を一手に担っていた「女房役」は、自分が主役になると支えてくれる人が誰もいないことに気づいたようだ。安定感を失い、周囲を巻き込む“ご乱心”ぶりを発揮し始めた。

 官邸内が、接待問題の情報をリークした犯人捜しでピリピリする中、自民党内でも菅義偉・首相の神経を逆なでするような不穏な動きが始まった。

 さる3月初旬、議員会館の自民党議員の事務所ポストに1通の文書(A4判1枚)が投げ込まれた。

 受け取った議員からは「政局の幕開け」「菅おろしの序章じゃないか」と波紋が広がっている。

 文書の差出人は〈総選挙前に党則第6条第1項(総裁公選規程)に基づく総裁選挙の実施を求める会〉となっているが、代表者も連絡先も書かれていない。いわゆる怪文書の類いだが、内容は、菅首相を批判するわけでも、総裁公選規程にある「総裁リコール」を呼びかけるものでもない。

〈衆議院議員は、今年の10月21日に任期満了を迎えるため、今年中に総選挙が行われることになります。また、自民党総裁も9月30日で任期満了となります〉

 冒頭に国会議員なら誰もが知っていることが書かれ、9月5日に東京五輪が閉会した後の政治日程案が、

9月7日 自民党総裁選挙告示
9月20日 総裁選挙投開票日(総裁決定)
9月22日 首班指名
9月27日 解散
10月24日 総選挙投票日

 などと表にまとめられている。

 さらに10月21日の衆院の任期満了まで臨時国会を開き、その日に衆院を解散した場合は「11月28日投開票」が〈公職選挙法で認められる最も遅い総選挙の日程〉と指摘されている。

 これがなぜ、“菅おろし”と受け止められているのか。

 自民党内には、支持率低迷中の菅首相による解散・総選挙を恐れる空気が強い。それを物語るのがポスター問題だ。

 公選法では、任期満了の半年前になると候補者のポスター掲示が禁止される。そのため、議員は党首との2連ポスターなどに貼り替えるが、自民党は菅首相とのツーショットを敬遠する議員が多い。東京選出議員の地元秘書が語る。

「今回は4月21日までにポスターを貼り替えなければならないが、不人気な菅さんとの2連にしたら票を減らしてしまう」

 そこにこの文書が配られた。自民党中堅議員は、「総選挙を最大11月28日まで引き延ばせるとは知らなかった。それなら、9月の総裁選で新総裁が誕生すれば、首相就任後に国会で所信表明を行なってから解散・総選挙という日程が可能になる」と語る。

 政治ジャーナリスト・藤本順一氏が指摘する。

「文書の意図は、総裁選で菅総理のクビを挿げ替え、新しい看板で総選挙を乗り切ろうということ。それまでは菅首相の解散権を封じ込めなければならない。それを日程表だけでピンポイントで訴えている。総務省の接待問題など政権不祥事が発覚した背景には霞が関の造反があると見られており、それと自民党内のアンチ菅勢力が手を組んで仕掛けているとすれば、根は深いのではないか」

 この文書、内閣情報調査室を通じて官邸にもあげられているという。

※週刊ポスト2021年4月2日号

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