贋作絵画販売そごう・西武に平山郁夫実弟が憤り「鑑識眼が失われた」

贋作絵画販売そごう・西武に平山郁夫実弟が憤り「鑑識眼が失われた」

そごう・西武は2009年から疑いのある作品71点を販売していた…(写真はイメージ)

 日本を代表する画家の“ニセモノ絵画”が大量に出回った。

「贋作が流通したのは、日本画家の平山郁夫、東山魁夷、片岡球子の作品群です。ここでいう贋作とは、“無許可で複製された作品≠フこと。複製画自体は画家本人や著作権保持者の許可を得た上で、数を制限して制作・販売することはありますが、この3人の作品は不自然に多くの複製画が流通しており、日版商(日本現代版画商協同組合)が調査していた」(全国紙記者)

 この過程で昨年末、大阪の画商男性が無許可で複製画を制作、販売していたことを認めたと報じられた。

 これらの贋作は大手百貨店を中心に販売されており、2月8日、そごう・西武は2009年から20年にかけて疑いのある作品71点を計5500万円で販売したと発表した。

「購入されたお客様には直接連絡を取らせていただき、いったん作品をお預かりした上で、第三者の鑑定機関で調査しています。贋作と判明した場合は販売した価格での引き取りをご提案させていただく予定です」(そごう・西武広報担当)

 なぜ取引過程で贋作の可能性に気付かなかったのか。平山郁夫の弟・平山助成氏(平山郁夫美術館館長)が語る。

「近年は印刷技術の進歩もあり、原画を忠実に再現することが容易になりました。精巧なものも多く、プロが見てもなかなか真贋の区別が難しい。いまはちょっとしたプリンターでも忠実な複製画ができてしまいますからね。兄の存命時は、複製画を作るにしても信頼できる業者に依頼し、100部だけとか限定してやっていた。全ての複製画を兄がチェックし、納得いくものだけに許可を出していた」

 百貨店のスタッフに“目利き”がいなくなったことも大きいという。

「かつての美術担当は芸大卒も多く、絵画に造詣深い専門職でした。でも、いまは美術担当者の部署異動も多く、専門家よりも“単なる販売員”が目立ちます。売る側から鑑識眼が失われてしまったのでしょう」(助成氏)

“本物”として流通した贋作が、他にもまだまだあるのかもしれない。

※週刊ポスト2021年4月2日号

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