菅政権を“支えるふり”の麻生副総理 秘かに狙う安倍前首相の復権

麻生太郎氏が安倍晋三氏の復権を計画し、菅義偉首相おろしを始めるとの推測も

記事まとめ

  • 菅義偉首相は二階俊博幹事長と距離を置く一報、麻生太郎氏に急接近しているという
  • しかし、麻生太郎氏は菅首相を信じておらず、安倍晋三氏の復権を計画しているらしい
  • 安倍晋三氏が細田派の会長に就任したら、菅首相おろしが始まるのだという

菅政権を“支えるふり”の麻生副総理 秘かに狙う安倍前首相の復権

菅政権を“支えるふり”の麻生副総理 秘かに狙う安倍前首相の復権

麻生太郎氏にどんな狙いが?(時事通信フォト)

 無派閥で党内の足場が弱い菅義偉・首相の政権基盤を支えてきたのは、後見人の二階俊博・幹事長が自民党内に睨みを利かせてきたからだ。だが、蜜月だった二階氏との関係は、いまや冷め切っていると言っていい。

 二階氏に代わって菅政権をコントロールしようとしているのが麻生太郎・副総理兼財務相だ。

 菅首相は二階氏とは距離を置く一方で、麻生氏に急接近。昨年10月、12月、今年1月と毎月のように会食を重ねてきた。

 麻生氏も、菅首相が喉を痛めていることを知ると、「のど飴」を差し入れ、菅首相が「効果てきめんです。感謝しています」と感謝のメッセージを送るほどの蜜月ぶりだ。

「コロナの追加経済対策でも総理は麻生さんの顔色を窺って追加の給付金を『考えていない』と否定していたが、低所得の子育て世帯に子ども1人あたり5万円の特別給付金支給を決めた。これも麻生さんがウンと言ったから支給できることになった」(官邸の中堅官僚)

 ところが、麻生氏が力を持つや始めたのが二階派大臣への露骨な批判だ。麻生氏は同じ福岡選出で“犬猿の仲”として知られる二階派幹部の武田良太・総務相が国会答弁でNTTとの会食について「国民の疑念を招く会食はしていない」と繰り返したことに、

「武田にちょっと言おうかなと思ったんですけど。あんまり仲が良くないので黙っておきました」
「正直なところ、『いい加減にしろや』と言おうと思った」

 と“閣内不一致”を暴露し武田氏を追い詰めた。

 また、緊急事態宣言の解除にあたっては「マスクなんて暑くなって口の周りがかゆくなって最近えらい皮膚科がはやっているそうだけど。いつまでやるの?」と語って物議を醸している。

 麻生氏も、言いたい放題で政権の足を引っぱり、本気で菅政権を支えようとしているとは思えない。菅側近はこう言う。

「麻生さんは菅総理を全く信用していない。コロナ対応で麻生さんの考えは、自粛などやめて経済を回せというものだが、総理は西村康稔・経済再生担当相、田村憲久・厚労相、加藤勝信・官房長官の3大臣と協議して決め、副総理の麻生さんはメンバーにも入っていない。マスク発言は“いつまで自粛させるのか”という総理への当てつけだ」

 末期症状の菅政権にあって、麻生氏が政権を支えているふりをしているのは盟友の安倍晋三・前首相の復権を待っているからだ。

「麻生さんは安倍さんに最大派閥・細田派の会長に就任するように強く勧めている。両派が組めば9月の総裁選で新総裁を担ぎ、キングメーカーになれるからだ。安倍さんもその気だが、会長になるには準備がいる」(細田派ベテラン)

 安倍氏の復権計画については、森喜朗・元首相が地元の月刊誌のインタビューで興味深い秘話を語っている。

 森氏は東京五輪組織委員会会長の辞任にあたって、川淵三郎氏より前に安倍氏に後継を打診した。しかし、安倍氏が秘書を通して「次の総選挙に向けて派閥の議員の応援に回りたい」という理由で辞退した経緯を明かしたうえで、こう語っている。

「うちの派の幹部連中に安倍さんの思いを教えておいたよ。みんなしっかり選挙に勝ち抜いて、安倍さんをうちの派に迎えようと。そして、あらためて安倍派をつくればいいと言っておきました」(月刊北國アクタス4月号)

 その安倍氏が派閥会長に復権したとき、麻生―安倍の院政コンビによる菅おろしが始まる。

 官邸サイドは、そうなる前に一か八かの「解散・総選挙」に踏みきり、9月の総裁再選に向けて求心力を回復しようと動いているが、果たして“裸の王様”になった菅首相に解散権という「伝家の宝刀」を抜く力が残っているのか――。

※週刊ポスト2021年4月9日号

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