50年以上登山を愛する天皇陛下 山での「かけがえのない家族の時間」

50年以上登山を愛する天皇陛下 山での「かけがえのない家族の時間」

2016年8月に開かれた「山の日」記念全国大会のため、北アルプスの玄関口である上高知(長野県)を訪れたご一家。その約1週間後には、ご一家で那須岳を登られた(写真/白滝富美子さん提供)

 御代がわりから5月1日ではや2年。天皇陛下はこれまで、「国民とともにありたい」というお気持ちを、その親しみやすさをもって体現してこられた。令和流ともいえる新たな天皇像の素地を作ったのが、50年以上続けられた登山のご経験だという。

 幼少の頃、お父上に手を引かれて登られた山。新婚時代にカジュアルな服装で雅子さまと登られた山。そして、父として愛娘・愛子さまを連れて登られた山。日本山岳会の会員であるほど山への思いが深い陛下の思い出を辿ると、美しき山々が天皇ご一家にもたらしたものが見えてきた??。

 天皇陛下の初めての登山は、わずか5才のとき。長野・軽井沢にある標高1256mの離山を皮切りに、6才で浅間山(2568m)、7才で乗鞍岳(3026m)と、幼い頃から数々の山を踏破されてきた。

「13才のときにはご学友と北アルプスの白馬岳を登られました。日本三大雪渓の1つである『白馬大雪渓』を、アイゼン(滑り止め)を付けた登山靴で踏破。中学生のうちに中・上級者向けといわれる白馬三山を1泊2日で縦走されたのですから驚きです」(宮内庁関係者)

 陛下の山行回数は、のべ170超え。鍛えられた健脚は、同行する取材陣を驚かせるものだった。

「登山取材では体力自慢の若手で取材陣を編成し、陛下の3〜4時間前には出発します。ですが、後から出発したはずの陛下に途中で追いつかれることも多く、取材陣は追いつかれまいと必死に登っていました」(皇室記者)

 実は、白馬岳は雅子さまも子供の頃、ご家族で登られた思い出の山でもある。

「1998 年の長野五輪の際には、両陛下は白馬ジャンプ競技場で開催されたスキージャンプを観戦されました。選手の活躍だけでなく登山の思い出話にも花を咲かせたのではないでしょうか」(前出・皇室記者)

 ご長女の愛子さまがお生まれになると、両陛下はまだ幼い愛子さまを連れて、ご一家で山に登られるようになった。特に、栃木の那須岳は“天皇ご一家御用達の山”と呼べるほどに親しまれている。

「ご一家は夏休みに那須御用邸で静養されることが多く、那須岳には陛下お気に入りの登山コースもありますから、これまで何度も登られています。愛子さまの初登頂は2009 年、8才のとき。陛下は休憩のたびに愛子さまを気にかけ、話しかけておられたのが印象的でした」(前出・宮内庁関係者)

 直近の那須岳登山は2016 年8月。療養中の雅子さまが前年、12年ぶりに園遊会に出られるなどご快復傾向にあった時期で、ご一家そろって4年ぶりの登山となった。

「登山客に気さくに声をかけられるなど、雅子さまにも笑顔が見られ、自然体のご様子がうかがえました。当初の予定とは別のルートに出られてまで、登山客に声をかけに行かれたほどです。愛子さまも、登山客の連れた犬をご覧になり“かわいい”とうれしそうになでられていました」(居合わせた登山客)

 ご一家にとって山での時間は、かけがえのない“家族の時間”だった。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは次のように話す。

「天皇陛下はお若い頃、“登山とは頂上を目指すもの”とのお考えでした。ですが、年を経るにつれてその姿勢は変わり、上皇陛下と同じように、途中の草花など自然を楽しむようになったそうです」

 山との触れ合いの楽しさを、いまはご一家で共有されているのではないだろうか。

※女性セブン2021年5月6・13日号

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