初孫誕生の60代男性 義娘から「ワクチン打つまで会わせません」

初孫誕生の60代男性 義娘から「ワクチン打つまで会わせません」

ワクチン接種によってさまざまな問題が…(写真/時事通信社)

 日本でもようやくワクチン接種が本格化し始めた。ワクチンを接種していない人が、いまのような“大多数”から、“マイノリティー”へと変わっていく近い将来、少数派にはどのような視線が向けられるのか。すでにワクチンを接種した人の周辺や、コロナに敏感な職場で働く人に話を聞くと、あなたの身にも降りかかるかもしれない、うすら寒い未来が見えてきた。

 前提として、昨年12月に成立した改正予防接種法の附帯決議に、知っておくべき大切なことがあると医療ジャーナリストの鳥集徹氏は語る。

「附帯決議には、“接種するかしないかは、国民自らの意思に委ねられるものであることを周知せねばならない”と明記されています。つまり、国民に選ぶ権利があり、打ちたくない人の権利も守られなければならないのです」

 しかし、静岡県で看護師として働くAさん(50代女性)は、権利を守られている気はしなかったという。

「アレルギーがあるので絶対に打ちたくありませんでしたが、知らぬ間に接種スケジュールが病院に決められていました。勤務している病院の患者がコロナにかかったことがあったので、断れない状況でしたが、こちらの希望も聞いてほしかったです……」

 医療現場では、選択の自由を行使するのも難しいのが現状のようである。日常生活で必要不可欠なサービスを受けるにも、“生きづらさ”を感じると答えたのは神奈川県のBさん(60代女性)。いきつけの美容院で、美容師から意外な言葉をかけられて、不安が募ったという。

「『次回来るときは、ワクチンを打ってから来てくださいね』と言われました。半分冗談のような言い方でしたけど、ワクチンを打たないとこれから通えなくなるかもと不安になりました。クリーニング店でもワクチンを打ったかどうかなんて世間話をされるし、まだ打ってないけど『打ちました』という方が日常生活が楽なんじゃないかな、と思ったくらいです」

 ワクチン接種の有無で客対応がガラリと変わるなら、Bさんのように嘘をつくことが頭にちらつく。だが、そうはさせまいとするのが、「ワクチンパスポート」の存在だ。

「ワクチン接種の証明書です。一部の国ではすでに導入されていて、日本も経団連が導入を働きかけています。もし導入されれば、紙ではなくスマホなどに登録する可能性が高く、『持ってくるのを忘れちゃったわ』なんて言いづらい。嘘をつくことは許されないのです」(科学ジャーナリスト)

 接種の有無がそのまま生活圏の通行手形になる日も近いというわけだ。

 ワクチンの登場により、これまでコロナ禍を一緒に乗り越えてきた周りの人の態度の変化に悩む人もいる。最近、待望の初孫ができたという和歌山県のCさん(60代男性)は、次男の嫁から衝撃的な一言を浴びて喜びも半減してしまった。

「かわいい孫に1日でも早く会いたいと思ったのですが、嫁から『ワクチンを2回打ち終わらないと孫には会わせません』と言われましてね。ワクチンの副反応のニュースを見て、体力も衰えてきたし怖いから打たないでおこうと思っているんだけど、ワクチンを打たないと孫に会えないと言われたらねえ。孫には会いたいけど、嫁の顔はもう見たくないね」

 ワクチンを打った途端に、特権意識を持ち始めた友人に困っているのは、東海地方に住むDさん(70代男性)。

「コロナ禍の唯一の楽しみとして、友人たちと週に1回、ランチに行ってました。そのランチ仲間のうち、ワクチンを接種した友人が2人います。その友人から、ランチの誘いが私に来なくなったんですよ。理由を聞いたら、『君はワクチンを打っていないでしょう。感染リスクがあるからやめた方がいいよ』と。これまで一緒にランチしていたのに、ワクチンを打たないと輪に入れてもらえないのかと気分が落ち込みました」

 ワクチンさえなければ、友情は続いていたかもしれない。友人関係に亀裂が入ったケースは、小学生の子供を持つ大阪府のEさん(30代女性)も同じ。Eさんは家族会議で、ワクチンを打たないという方向性で一致していた。そのことは家族の中だけで留めておけばよかったものを……。

「普段から、お互いの家を行き来するママ友とお茶をしたとき、ワクチンの話になったんです。私が『実家も地方だから親にうつす心配もないし、治療薬が出るまで待つよ。夫も打たないかな』って軽い気持ちで言ったら、それ以来、全く家に来なくなってしまって。余計な一言だったと後悔しています。コロナの感染は避けたいけど、ワクチンの副反応も怖い。でも、ワクチンを打たずに人間関係が壊れるのは嫌。悩みが尽きません」

 ワクチンを打ったからといって、偉そうな態度を取ったら、それこそ人間関係が壊れる気もするのだが……。

※女性セブン2021年5月20・27日号

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