天皇陛下の退位後の生活はどうなるか――住まい、旅行、警備

天皇皇后両陛下の退位後の生活を皇室ジャーナリストが解説 私的なご旅行されるとも

記事まとめ

  • 2019年(平成31年)4月30日をもって今上陛下は退位され、上皇となられる
  • 美術展や音楽会に出かけ、私的なご旅行などもされると皇室ジャーナリストが解説
  • 陛下は魚類学者、皇后陛下は音楽家や作家として多くの時間を研究や活動にあてるとも

天皇陛下の退位後の生活はどうなるか――住まい、旅行、警備

天皇陛下の退位後の生活はどうなるか――住まい、旅行、警備

私的旅行で訪れたわたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車から手を振られる両陛下(2014年5月) 時事通信社

「天皇としての旅」(2018年の誕生日に際しての記者会見でのお言葉より)を終え、5月1日より上皇となられた後はどんな暮らしをなさるのか。皇室ジャーナリストの山下晋司氏が解説する。

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 2019年(平成31年)4月30日をもって今上陛下(以下=陛下)は退位され、平成という時代は幕を閉じます。崩御以外での御代替わりは約200年ぶりで前例がない部分も多く、国民にも初めてのことですし、退位後、上皇・上皇后となられる両陛下はどのような生活をされるのか気になるところです。

 生活環境の大きな違いはお住まいでしょうか。ご退位後、皇居・御所から仮住まいとなる高輪皇族邸(旧高松宮邸)に引っ越されます。その後、2020年度中には両陛下が1960年(昭和35年)から1993年(平成5年)までお住まいになっていた今の東宮御所に引っ越され、建物は「仙洞(せんとう)御所」と改称されます。

 公務はなさらず、基本的に私的なご活動だけになります。美術展や音楽会に出かけ、私的なご旅行などもされるでしょう。陛下は魚類学者、皇后陛下は音楽家や作家としてのお顔もお持ちですから、これまでより多くの時間をその研究や活動にあてられるでしょう。葉山をはじめ那須や須崎の御用邸などに長期間、滞在されるのもいいのではないでしょうか。

 上皇・上皇后のお世話をする組織として宮内庁に「上皇職」が新設され、現在の侍従職職員の多くがそちらに移ると思われます。皇宮警察や警視庁の警備は現在とほぼ同じでしょう。移動の際の交通手段も飛行機なら専用機、新幹線などの列車なら臨時列車と、現在と変わらない予定です。

 ご退位後も国民の敬愛や信頼の気持ちは変わらないでしょうから、上皇・上皇后のご近況などは知りたいと思うでしょう。天皇誕生日や新年の一般参賀にはお出ましいただきたい──そう国民は希望しているのではないでしょうか。

【PROFILE】やました・しんじ/1956年大阪府生まれ。関西大学卒業。23年間の宮内庁勤務の後、皇室ジャーナリストとして『皇室手帖』の編集長などを務める。BSテレ東『皇室の窓スペシャル』の監修を担当。著書に『いま知っておきたい天皇と皇室』(河出書房新社)、監修書に『天皇家の想い』(ワニブックス)、『美智子さま100の言葉』(宝島社)など。

◆取材・構成/祓川学(フリーライター)

※SAPIO2019年4月号

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