就活で子供を大手企業に入れる親、「3つの特徴」

就活で子供を大手企業に入れる親、「3つの特徴」

就職活動に親はどこまで関与すべき?

 就職活動の成否は当然ながら本人の行動や準備がカギを握っているが、誰にとっても企業と本格的に向き合うのは初めての経験になるだけに、中には「何をやればいいのかわからない」という学生も少なくない。就活を迎える子供に、親はどう向き合うべきなのか。就活塾・キャリアアカデミーの宇佐川景子氏が解説する。

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 親にとって、子供の就活は「子育ての集大成」と言われることがあります。今まで塾に行かせ、高い学費を払って大学に行かせた子供には、いい企業に入って欲しいと思うのが、親心でしょう。では、親は子供の就活をどう応援すればよいのでしょうか。これまで優良企業に就職した学生の親が取っていた行動から、3つの特徴を抽出しました。

【1】「やりたいことをやりなさい」ではなく「なんとしてもやりなさい」

「やりたいことをやって欲しい」──そういう親は多くいます。キャリアアカデミーの受講生の親も「この子のやりたいことをやって欲しいんです」と語る人が多いのが実情です。

 確かに、やりたいことを仕事にできるのなら、それが一番です。しかし、画一的で恵まれた環境で育ってきた就活生の世代には、その「やりたいこと」がない人が少なくありません。受講生に聞いても「やりたことが特にないんです」という声がとても多いのが実情です。

 中には「食品メーカーを志望しています」といった学生もいますが、学部が栄養学や化学であるわけでもなく、「なんとなく食品メーカーは身近」というイメージを抱いているだけです。

 そんな就活生に「やりたいことをやりなさい」と言っても、モチベーションにはなりません。それよりも、「大学を卒業したらあなたを養うつもりは一切ないし、仕事を楽しめるようになるかは自分次第。就活は自分の責任でね」というほうが効果的です。親としては「しばらくは実家暮らしでもいい」「苦労してほしくない」と思うかもしれませんが、少し突き放すくらいのほうが本気になるケースが多いと言えます。

 大学生の多くは「早めに準備する」よりも、むしろ「先延ばし」にするほうが多いのが事実。そんな子供を放任することなく、十分に準備するように促してください。「やりたいことをやりなさい」ではなく、「なんとしてもやりなさい」というのもひとつです。

【2】口を出さない

 大学3年生の子供のお尻を叩いて、ようやく動き出したら、それ以上就活にはアドバイスしないことをお勧めします。

 以前、ある受講生の親が、大企業の人事をしていたことがありました。その親は、子供に「面接では、ハッタリでもいいからもっと自分を大きく見せるんだ、リーダー経験とか、成長したことをたくさん話さないと通らないぞ」とアドバイスしていました。

 しかし、就活塾・キャリアアカデミーにいる各業界の人事経験者10人以上の講師に聞くと、評価の基準はまちまちでした。

 たとえばある講師は、「ハッタリを言っていたら落としますね、うちは信用が一番。たとえ地味でも等身大の自分を見せてくれた就活生を採る」と語っていました。また、証券会社とIT企業で採用に携わった経験のある別の講師は、「証券会社では、体育会系で図太い就活生が好まれたが、IT企業ではおとなしくても論理的思考力がある就活生が高く評価された。IT企業で採用を担当し始めたころは、証券会社における採用基準とのギャップに驚いた」と述べていました。

 就活生に必要なのは、「どのような採用担当者でも求める最大公約数の部分」をクリアすることと、「採用担当者により基準が異なる、採用の多様性を知ること」であって、特定の企業や特定の誰かの意見に偏らないことが必要だと思います。

【3】就活生世代は「納得」させて動かす

 就活生の世代は、良くも悪くも、「理解したら動く」という特徴があります。親の世代なら「とりあえずやる」が当たり前だったかも知れませんし、実際そのほうがスピーディーなのでしょう。しかし、今の就活生は納得しないと、やらない・動かないのです。「就活なんて頑張ったほうがいいに決まってる」「とにかく動いて情報を集めたほうがいい」では、子供としてはモチベーションが湧きません。

「納得」させて動かすためには、例えば、次のように説明してはいかがでしょうか。

「高校までよく勉強して、受験もなんとかうまく行って、いい大学に行けてよかったね。ただ、もしここで就活に失敗して正社員になれず、非正規雇用になったとしよう。そうしたら、生涯収入は約1億円で、将来家族を養うのは少し難しいと言われている。一方、大学は有名でなくても、優良企業に入ったら生涯収入は3億円くらい。その差2億円というのは、旅行、服、外食などを、あまりお金のことは考えずに楽しめるくらいの差になる。

 もちろん、お金だけじゃない。仕事の権限や予算も違う。その差はどのようにして生まれるかというと、入社してからじゃないんだよ。この就活の数か月で決まる。わずか数か月で、社会人の生活が大きく変わる。だから、いろいろやりたいことはあるだろうけど、全てを投げうってでも、就活は頑張ったほうがいいと思うし、精一杯応援したい」

 もちろん、正社員ではなくても活躍できる働き方や、非正規でも努力して幸せになれる仕事の仕方もあるでしょう。ただしそうした成功ケースは、強い意志と行動力がある人だからこそなし得るものです。

 少なくとも「売り手市場と言われているし、たくさん面接行けばどこかに受かるだろう」とボーッとしているよりも、就活くらいは頑張ったほうがいいのではないでしょうか。どのような説明が子供に響くかはそれぞれですが、子供が納得行くように、根拠を持って論理的に対話することが必要だと思います。

 大人であれば知っている「仕事」の価値。子供が一番幸せになれる道を応援してあげてください。

【プロフィール】うさがわ・けいこ/1994年東京生まれ。早稲田大学卒業後、大手損害保険会社に入社。2018年8月より、就活塾「キャリアアカデミー」に参画し、同社が運営する就活ブログの執筆を務める。https://www.c-academy.co.jp/

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