中国漁船の乱獲でサバ缶が超高級品に 争奪戦は過熱

中国漁船の乱獲でサバ缶が超高級品に 争奪戦は過熱

ブームの裏で…(共同通信社)

 空前のサバ缶ブームの一方で値上げラッシュが続く。マルハニチロと極洋は3月1日から、日本水産は4月1日から、10%前後の値上げを実施した(マルハニチロの「さば水煮」190gは参考小売り価格220円→240円)。需要急増や物流コスト上昇が理由とされる。今後懸念される値上げリスクは中国漁船の乱獲だ。

「近年になって、北太平洋や東シナ海で中国のサバ漁が増えている。日本の漁業関係者からは、中国漁船の漁獲高が高いので、値上げを防ぐためにサバの資源管理をしっかりやらないといけないという声が出ている」

 そう語るのは水産庁国際課東アジア班の担当者だ。

「日本の漁船は160トン程度のものが多いのに対し、中国は300トンから中には1000トン超えの大型船で、船数も年々増えている。また中国船は“虎網漁”という、強力な集魚灯を焚いて、長さ1キロ以上の網を高速で巻き上げる方法を使う。魚を傷つけ、小さなサイズのものまで獲ってしまうため日本ではやらない方法ですが、中国漁船は根こそぎ獲る。漁業資源への悪影響は大きい」(同前)

 背景には、健康志向の高まりによる世界的な魚食ブームがある。

「中国をはじめ、東南アジアやアフリカでもサバの需要は伸びており、日本近海のサバはアフリカへも輸出されています。さらに、EUが北太平洋でのサバ漁に参入しようと北太平洋漁業委員会への加盟を求めており、“サバ争奪戦”がますます過熱するかもしれない。そうなればさらに値上がりする可能性もあるでしょう」(全日本さば連合会の小林崇亮会長)

 庶民の味が、ぜいたく品になってしまう日は近い。

※週刊ポスト2019年4月19日号

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