酒豪と定評の皇太子殿下、元宮内庁職員が振り返る酒の思い出

酒豪と定評の皇太子殿下、元宮内庁職員が振り返る酒の思い出

オックスフォード大学留学中の皇太子さま(宮内庁提供)

「平成」も残すところあとわずか。父である天皇陛下から時代を受け継ぐ徳仁皇太子殿下の胸中はいかに…? 今こそ、皇太子さまのお人柄に迫り、新たな時代へ思いを馳せてみよう。

 皇太子さまは学習院大学卒業後、英オックスフォード大学マートンカレッジに留学する。皇族で初めての海外での長期滞在であった。留学中は一学生として過ごすため、警備も最低限しかつけなかった。

 学生寮で共同生活を送り、学業の合間には、ロンドンの街中を歩いてクレジットカードでショッピングや、現地のパブでご学友とともに名物の黒ビールを嗜まれるなど、羽を伸ばされたようだ。

 意外な話かもしれないが、皇太子さまのお酒好きは有名で、日本酒や洋酒を問わず、かなりの量を飲まれても物静かなままで変わらないその酒豪っぷりには定評がある。

 元宮内庁職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、皇太子さまと酌み交わした日のことが忘れられないと語る。1991年にモロッコ、英国外遊に同行し、帰国直後、たまたま東宮仮御所で居合わせた山下さんに、皇太子さまが声をかけられた。

「『山下さん、お疲れ様でした。ちょっと飲みますか?』と皇太子殿下からお誘いを受けました。事務所のいすに腰を掛けて、ウイスキーだったと思いますが、殿下と2人で飲みました。本庁から同行したのは私だけだったので、ねぎらってくださったのでしょう。殿下は相当お疲れだったはずですが、係長程度の私にまで優しいお心遣いをいただき、ありがたいことでした」(山下さん)

 お酒を好む一方で皇太子さまは体力づくりを欠かさず、テニスやランニングを趣味とされる。皇太子さまのがっしりと筋肉質な体格は日頃の運動の賜だろう。

 なかでも熱心に取り組まれているのは登山で、これまでに富士山や南アルプスの白峰三山など、170を超える山を制覇された。

 那須登山の際の案内役を約20年務めてきた大高登さんが、その思い出を語る。

「皇太子さまは疲れ知らずの健脚で、6時間歩き続けても『大丈夫です』と平然とされています。侍従たちの足取りに、皇太子さまがペースを落として合わされるほどです。3度目の茶臼岳の登山では、昔の“行人(ぎょうにん)道”を歩いてみたいとおっしゃられて、深い霧の中、険しいコースを本当に楽しそうに、やすやすと登られました。つねに笑顔を絶やさず、他の登山者から話しかけられると必ずご対応されていらっしゃいました」

 日本山岳会常務理事の神長幹雄さんも、偶然、山の上で皇太子さまと出会われた。

「もう30年も前の話ですが、南アルプスの赤石岳を登山中にたまたま殿下とすれ違ったんです。初のテント泊山行を体験されるということで、殿下はかなり大きなザックを背負っていらっしゃいました。それから1年あまりして、殿下は日本山岳会の“会員”にもなっていただきました」(神長さん)

 神長さんが最近、皇太子さまに会ったのは、女性で初めてエベレストを登頂した登山家の田部井淳子さん(享年77、2016年逝去)が亡くなられた時だ。

「田部井さんの追悼小冊子を殿下にお届けしようと侍従のかたに連絡を取ると、『殿下が田部井さんのご遺族に、お言葉をかけたいとおっしゃっています』と言うので、ご主人と息子さんと一緒に御所にお伺いしたんです。対面時間は『30分』と言われていたのですが、殿下は熱心にお話を聞いてくださり、大幅に時間をオーバーしてしまいました」(神長さん)

 経験と出会いを繰り返し、皇太子さまの優しいお人柄は揺るぎないものへと構築されていったのだろう。

※女性セブン2019年4月25日号

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