トラブル続きの「ミス慶応」 何度中止になっても復活する理由

トラブル続きの「ミス慶応」 何度中止になっても復活する理由

テレビ朝日の竹内由恵アナもミス慶應出身(時事通信フォト)

 慶應大学の「三田祭」(11月開催)は毎年20万人以上の来場者を集める日本最大規模の学園祭として知られるが、今年は開催まで半年あるにもかかわらず、すでに大きな注目が集まっている。目玉行事となったミスコンで、史上初となる「2人のミス慶應」が誕生するかもしれないからだ。5月初旬に発表されたミスコンのファイナリストは、主催する「ミス慶應コンテスト2019実行委員会」と「KOPURE(コプレ)」の“2団体”で計13人。

 KOPUREは今年からの参入で、「ミス慶應コンテスト2019実行委員会」は、同団体が前年主催したミスコンファイナリストの写真がKOPUREのHPに使用されていることなどについて、抗議をした。それでもHPは変わらなかったため、弁護士を立てて警告書を送付する事態となっている。一体何が起きているのか。

 今回のミスコン分裂騒動は、キャンパス内でも話題になっていた。

「人気が分散してしまうというか、双方の団体にもマイナス面しかない気がします。どうしてもミスになりたくて、両方に応募した子もいたようです」(法学部3年生)

「慶應のイメージが悪くなるので、争いはやめてほしい」(経済学部2年生)

「なんでウチのミスコンはトラブルばかり起きるのか……」(商学部4年生)

 学生たちが嘆息するように、ミス慶應をめぐるトラブルは、かつてミスコンを主催していた広告研究会所属の男子学生らによる集団強姦事件(2016年4月)だけではない。

 2009年には広告研究会の部員10人が、日吉キャンパスのある東急東横線日吉駅内を全裸で走り回り、公然わいせつ罪で書類送検されている。

「この問題を受けて、2010年の『ミス慶應』は中止になりました。当時、『ミス慶應は終わり』といわれましたが、2011年には復活した。2016年の事件の後でも同じです。こんなトラブルが繰り返されながらも『ミス慶應』がなくならないのは、ミスコンが“ビジネス”として成り立っているからです」

 そう話すのは、ミスコン事情に詳しい芸能評論家の三杉武氏である。

「慶應のような超有名大学のミスコンには、協賛企業がたくさんついて、学生主催のイベントにもかかわらず、多額のカネが集まる。ミス候補者が集うイベントには芸能事務所のスカウト担当やテレビ局の人事担当が集まって、さながらオーディション会場のようです。有望な人材を“青田買い”する格好の場になっているわけですね。

 そのため、主催する学生たちは“プチ業界人”のようになり、浮かれた気分になりやすい。大手広告代理店に内定するケースも多く、学生にとっても企業にとってもうまみがあるので、何度中止になっても復活する」(三杉氏)

 大人たちからすれば利用価値が高く、介入しやすい。かたや学生にとっては世間から注目され、人脈が培われる上、大きなお金が入ってくる“おいしいイベント”となる。今回の2団体分裂騒動は、そんな“うまみ”に学生が群がった結果なのかもしれない。

 今年も実行委員会主催のミスコンには、化粧品大手「DHC」やフジテレビのアナウンサー養成所など複数の協賛企業が名を連ね、優勝者には100万円、準優勝2人には各30万円の賞金が渡される。

 さらにメディアの密着企画も予定されているという。

「他にもテレビ局やネットメディアを含めて、多数の企業に協賛をいただいております。エントリーした女性の中には、“将来はアナウンサーになりたい”ということを前面に出されている方も多い。今後の露出面を考えれば、そうした候補者の期待に応えられるコンテストになっていると自負しています」(「ミス慶應コンテスト2019実行委員会」の代表)

 一方、KOPURE側もすでに複数の企業から協賛の打診を受けており、「詳細は近日中に発表する」とネットニュースサイトで明かしている。

 慶應大学を創立した福澤諭吉は、「天は人の上に人を作らず」との言葉を遺したが、後の世の教え子たちは「ミスの上にミス」を重ねようとしているようだ。

※週刊ポスト2019年6月7日号

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