相続税対策、生前贈与はいつから始めいつやめるべきか

相続税対策、生前贈与はいつから始めいつやめるべきか

賢い相続を専門家が解説

 民法改正によって、この7月から遺産相続を巡るルールが大きく変わる。大改正を目前に、税理士をはじめとする専門家の「相続対策セミナー」に、さらに多くの人が集まっているという。大人気のセミナーではどんな「質問」が出て、どういった「正解」が示されるのか。行列のできる相続セミナーで講師を務める円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏がずばり回答する。

【質問】
〈生前贈与はいつから始めたらよいでしょうか?〉

【回答】
〈相続税がかかる可能性があればなるべく早く始めるとよい。贈与税が非課税になる範囲内で、多くの人に「薄く長く続ける」のが鉄則です〉

 まずは財産総額や法定相続人の数から、相続税が発生するかどうかをチェックする。財産が基礎控除を超えそうな場合、節税対策の王道となるのが生前贈与だ。

「配偶者や子供などに生前贈与する場合、年間110万円まで非課税となる『暦年課税制度』があります。たとえば、一度に990万円を贈与すると174万円の贈与税がかかりますが、年間110万円の贈与を9年続けると、税金はゼロで済むのです。この制度を使う場合、非課税の範囲内である記録を残すために、『贈与契約書』を結ぶのがよいでしょう」(橘氏、以下「」内同)

 財産額にもよるが、生前贈与はなるべく早く始めたほうが望ましいという。

「1人あたり110万円までの範囲内であれば、何人に対して贈与しても非課税です。できるだけ多くの人数に“薄く長く”続けるほど、節税メリットが大きい。

 また、亡くなった時点から3年前までの生前贈与は相続財産に持ち戻されて相続税が増やされる『3年内加算』というルールがある。早めにやっておくメリットは大きい」

 もちろん、いつ亡くなるかは誰にもわからないが、平均寿命(男性81歳)を考えれば、必要な生前贈与は70代のうちに終えておくと考えるのがよさそうだ。

※週刊ポスト2019年6月14日号

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