安倍首相の母が転倒して入院、昭恵夫人が選択した「遠慮介護」

安倍首相の母が転倒して入院、昭恵夫人が選択した「遠慮介護」

“遠慮介護”を選んだ昭恵さん(写真/アフロ)

 ある研究によると、高齢の母親を「実子」か「義理の娘」かが介護した場合、義理の娘の方が精神的負担を感じやすいそうだ。かつての日本では、嫁が義父母を介護することが当たり前だったが、「人生100年時代」になって、介護の長期化や価値観の変化などにより、義理の娘がどこまで義母の介護を請け負うべきかが議論の的になっている。さて、「国運」さえも左右する、この一家の場合は──。

 安倍晋三首相(64才)が5月15日夜7時、東京・赤坂の寿司割烹の暖簾をくぐると、集まっていた往年の知人たちは、やや困惑した表情で出迎えた。

 安倍首相の実父で、通産相や外相などを歴任した安倍晋太郎氏の命日に合わせ、毎年恒例で開かれる「偲ぶ会」。その場に、晋太郎氏の妻で、安倍首相の母である洋子さん(90才)の姿がなかったのだ。

 洋子さんといえば、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元首相の長女で、「政界のゴッドマザー」と呼ばれる重鎮である。

「洋子さんはゴールデンウイーク中に趣味の書道の教室に出かけた時、転倒して救急車で緊急搬送されたそうです。幸い、けがは大事には至らず、足をくじいた程度ですんだといわれています。洋子さんも周囲に『心配はいりません。すぐにハイヒールも履けるようになります』と話していたそうですが、念のために入院することになったようです。

 実は、ご高齢ということもあり、全身の健康状態をチェックすると、深刻な疾患の可能性が指摘されたそうです。しかし、90才という年齢を考慮して安倍首相ら家族と話し合い、手術などの積極的治療は行わないことにして、3週間ほど療養のため入院してから退院しました」(全国紙政治部記者)

 安倍首相も多忙な合間を縫って、5月中旬の週末、洋子さんの入院先の東京大学医学部附属病院(東京・文京区)を見舞った。昭恵夫人(56才)も同行したという。5月20日頃には、体調に不安を残しながらも、住み慣れたわが家に戻った洋子さん。その姿に心中穏やかでないのが、昭恵さんだという。

◆夫は義母に頭が上がらない

「東京・富ヶ谷にある安倍総理の私邸は、2階に総理夫妻、3階に洋子さんが住む二世帯住宅です。洋子さんの身の回りの世話には古くからの家政婦さんがいるものの、退院後、総理は洋子さんのことを心配し、早く仕事が終わると必ず3階に行って母親のそばにいるそうです。朝食もなるべく一緒に食卓を囲むようにしていると聞いています。

 一方の昭恵さんは毎日忙しくどこかに出かけていて、洋子さんの住む3階を訪れることはほとんどないそうです。もともと料理が得意ではない昭恵さんは食事を作ったりはしないそうですけどね」(安倍家を知る関係者)

 これまで「質実剛健な姑・洋子さん」と「自由奔放な嫁・昭恵さん」は、たびたび“衝突”が報じられてきた。

「以前は昭恵さんの振る舞いについて“彼女らしくていいじゃない”と目を細めていた洋子さんですが、安倍首相が2012年12月、2度目の総理の座に返り咲くと風向きが変わりました。

 特に森友問題で、昭恵さんが新設される予定の小学校の名誉校長を引き受けて大炎上したり、“どこ吹く風”で一向に反省する素振りを見せなかったりしたことに洋子さんが呆れて、関係が一気に冷え込んだといわれました」(前出・全国紙記者)

 実際のところ、洋子さんにとっては、重責を担う安倍首相のサポートや地元支援者のフォロー、安倍家の跡取り問題などで頭がいっぱいで、家庭内で昭恵さんに構っていられない状況が続いていて、さほど気にしていないという。

「実際、嫁姑関係がギクシャクしているわけではないそうです。“介護放棄“ともいわれますがそれも違う。昭恵さんなりに洋子さんの体調を気にしているようですが、“私がどこまで義母の身の回りの世話に参加すればいいのか”と戸惑っているそうです。というのも、夫は忙しくても細かいことに気配りができるマメなタイプな上に、夫と義母の関係が非常に親密なので、かかわり方が難しいんでしょう」(前出・安倍家を知る関係者)

 そもそも安倍氏が一国の首相にまで上り詰めたのは、洋子さんの「剛腕」のおかげだったといえる。

 総理の座を目前にして晋太郎氏が早逝すると、安倍家は苦境に陥る。すぐに後継者として晋三氏が衆院選に出馬、当選するが、晋太郎氏に比べて影響力や知名度が格段に落ちたことは否めず、支援者が離れ、資金も集まらなくなってきた。「名門政治家一族の出身」というだけで、将来が約束されるわけではない。

「若き日の晋三氏を必死に支えたのが洋子さんでした。永田町の重鎮たちに“晋三をよろしくお願いします”と頭を下げて回るだけでなく、岸信介の長女である彼女の地元人気は絶大で、“洋子さんがいるから、晋三さんを応援する”という支援者も大勢いた。

 晋三氏が首相になってからも、選挙時に地元の支援者回りをするのはもちろん、政府内での人事のアドバイスまでするといわれています。安倍首相にとっては、“絶対に頭が上がらない存在”であって、常に体調などを気遣っているそうです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫さん)

◆自分が出る幕はないではないか

 そんな洋子さんについて、昭恵さんは周囲に「すべてを完璧にできてしまうお義母さんを見ていると、何もできない自分が恥ずかしくなる」とよく漏らしていたという。

「洋子さんの体調不安は、永田町の関心事になっている“衆参ダブル選挙”にも影響します。というのも、安倍総理の選挙といえば、洋子さんが地元に入って選挙対策の陣頭指揮を執るのが通例です。しかし、今は洋子さんが無理をできる状況ではなさそうです。いくら総理大臣とはいえ、自分の選挙が盤石でない時に、衆院選挙をやりたくないはずです」(自民党関係者)

 安倍家全体を支えてきた洋子さんの緊急入院に、昭恵さんが出した答えが“遠慮介護”だった。

「夫は義母に頼り切っていて、義母も二人三脚でやってきた夫をとても信頼している。いざ義母の介護を考えた時に、昭恵さんが“何か力にはなりたいけど、自分が出る幕はないのではないか”と考えるのも無理はないと思います。

 昭恵さんがさまざまな会合や後援会、イベントに出たり、知人との食事会に出かけたりする様子がよく報じられますが、じっと家にいるのもはばかられるという気持ちもわかります。嫁である自分が不在にしている方が、母と息子が水入らずでいられるのではないかという気遣いがあるようです。周囲に何を言われようが出しゃばるのではなく、いい距離感を保つ。そんな介護の形も昭恵さんらしいのかもしれません」(前出・安倍家を知る関係者)

 義父母の介護をどこまでやるべきなのか――昭恵さんの置かれた環境は、決して特殊なケースではない。

 超高齢化で介護期間は長期化し、5年、10年と続くことも珍しくない。冒頭で触れたように、義母を介護する場合、実子よりも義理の娘の方が精神的負担が大きく、周囲のサポートが必要とされる。

 だが一方で、実子よりも義理の娘の方が、介護による「絆の深まり」と「感謝される喜び」を感じる割合が高いという。実子の方が、親のわがままや支配的な態度をストレスに感じて、「感謝される喜び」を感じにくいとの指摘もある。

 義母の介護によって得られるのは、大きな負担感か、感謝される喜びか――昭恵さんの介護は、どちらに向かうのだろうか。

※女性セブン2019年6月20日号

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