中2同級生殺人の学校 電車飛び込み、飛び降り…3年連続で不幸

中2同級生殺人の学校 電車飛び込み、飛び降り…3年連続で不幸

事件現場は規制線が張られ、緊張感が漂う

「一昨年は電車に飛び込み、去年は飛び降り、そして今年は殺人事件。実は3年連続でこの時期に生徒の不幸が起きているんです。あの学校には何かあるのではないかと、地元の人は皆、不安な表情で話していましたよ」

 埼玉・所沢市で起きた中学2年生による同級生殺人事件を受け、地元住民はこう心配の声を漏らした。

 事件が起きたのは7月5日、午後5時頃。叫び声を聞いた近隣住民が家のドアを開けると、玄関先に少年が仰向けに倒れ、頭から腹にかけて大量の血が流れていた。長袖のTシャツとハーフパンツは、元の色がわからないほどに血で真っ赤に染まり、夥しい血痕は家の奥まで続く。そして、そのそばには手を血で赤く染めた少年が、顔を伏せてうずくまっていた。

 殺害されたのは地元の市立中学校に通う、本郷功太郎くん(享年13)。彼の命を奪ったのは“仲よし”のはずだった同級生の少年A(14才)だった。

「2人は同じ小学校に通い、中学でも同じクラスで、共に卓球部に所属していました。Aくんは挨拶もきちんとするいい子という印象です。毎週のように友達と集まっていて、仲はよさそうに見えました」(別の地元住民)

 その日、Aは自宅で本郷くんら友人と期末テストの勉強をしていたという。

「ほかの友人が来るまで勉強をしていた2人は、Aが“教科書を隠しただろう”と問い詰めたことで口論になった。そして、Aは台所にあった包丁で、本郷くんをメッタ刺しにしたようです。

 本郷くんの体には頭や腹に複数の刺し傷があり、腕には抵抗した際にできる傷がありました。傷は体の前面に集中しており、向かい合った状態で刺されたことがうかがえます」(全国紙記者)

 埼玉県警によれば、Aは当初「(本郷くんが)自殺した」と話していた。しかし、後に「教科書のことでけんかになった」と供述し、容疑を認めた。

 放課後、一緒に勉強をする仲の2人の間で起きた惨劇。しかし、前出の地元住民は2人の間に別の関係性を垣間見たという。

「Aくんは真面目でおとなしい、内向的な印象の子だったので、胸の中に相当な怒りをため込んでいたのかもしれません。ほかの子たちが活発だった分、別の子から“いじられる”ような印象も受けました。Aくんの自宅は学校から近いので、たまり場になっていたのかもしれません」

 Aは「この日のことだけがきっかけではない」という趣旨の供述をしており、以前には学校に、本郷くんとの関係について相談したこともあるという。しかし、市の教育委員会は事件直後に行った会見で、「人間関係の大きなトラブルは把握していない」と説明した。

「2人が通う中学校では、過去2年間、生徒の自殺が続いていました。保護者からは“具体的な改善案はないまま”などの不満が聞こえていた中での今回の事件。事前に防ぐことはできなかったのか悔やまれます」(2人が通う中学校関係者)

 公認心理師の長谷川博一さんは、Aについて「思い込みが強く、メタ認知が弱い特徴があるのでは?」と分析する。

「Aは、相手が否定しているにもかかわらず、『教科書を隠された』ことを確信し、犯行に及びました。“自分は嫌がらせをされているのに、相手が認めない”と強く思い込み、自分の確信を否定されたように感じたのでしょう。それが引き金となって、これまで抑圧されていた怒りが爆発し、破壊的な攻撃行動に移ったと考えられます。

 事件後、『相手が自殺した』という、すぐにわかる嘘をついたことからは、自分の言動が他者からどう評価されるのかを認識する『メタ認知』の苦手な子供だとも考えられます。

 14才以上は刑事罰適用年齢です。家庭裁判所の決定により、児童自立支援施設もしくは医療少年院での更正を目指すことになるのではないでしょうか」

 真面目でおとなしかった14才の少年は、突発的な感情で、友人をメッタ刺しにする“キレる少年”へと変貌した。2人の間に何があったにせよ、Aのやったことは決して許されることではない。

※女性セブン2019年7月25日号

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