雅子さま 急遽の「お出まし中止」の背景にあるプレッシャー

雅子さま 急遽の「お出まし中止」の背景にあるプレッシャー

雅子さまには8月から11月にかけて多くの重要公務や行事が控えている(撮影/小倉雄一郎)

『日本書紀』には、古代の雄略天皇が皇后に「養蚕(ようさん)」を奨励したという記述がある。現在の皇室のご養蚕は、1871年、明治天皇の皇后である昭憲皇太后によって復興された。それ以降、代々の皇后に受け継がれ、今も春から夏にかけて取り組まれている。美智子さま(84才)もその歴史の重みを受け止め、皇居内の紅葉山にある御養蚕所へ足繁く通い、伝統を紡いでこられた。

「御代がわりの行事が立てこむため、雅子さま(55才)が本格的に取り組まれるのは来年からです。ですが、7月10日には天蚕(てんさん ※:注)の収繭(しゅうけん)作業のため、御養蚕所を訪ねられる予定でした。美智子さまも毎年この時期に御養蚕所に通われたので、それに倣われたのだと思います」(宮内庁関係者)

(※:注/日本、朝鮮半島、台湾などに分布する蚕の一種。山繭とも呼ばれる。屋内飼育ができず、木に網をかけて放し飼いをする)

 ところが皇居へ到着予定の30分ほど前、皇居・半蔵門に詰めかけていた報道陣に「お出ましは取りやめ」の一報が入り、驚きが広がった。

「知らせが直前になったのは、ギリギリまでお出ましを模索されていたからでしょう。実は翌11日には、東大教授から地球科学の講義を受けられる『ご進講』があり、さらに12日には離任するベルギー大使夫妻とのご引見が控えていました。連日の公務を考慮し、大事をとられたのでしょう」(前出・宮内庁関係者)

 雅子さまの御代がわり以降の公務は、順調そのもの。それだけに、養蚕へも予定通りに取り組まれると期待されていた最中の出来事だった。

「好調が続いているため忘れられてしまいがちですが、雅子さまは今も適応障害を患い、療養中の身です。そんな状況で皇后という大役を引き継がれただけでなく、美智子さまという偉大な存在の後継者となったわけですから、そのプレッシャーは計り知れません」(皇室記者)

 そうした状況下でも、雅子さまは十二分にその務めを果たされてきた。御代がわりに伴う一連の儀式はもちろんのこと、5月にはトランプ米大統領夫妻を接遇され、続く6月にはマクロン仏大統領夫妻、7月にはトルコのエルドアン大統領夫妻と会見されるなど、数多くの国際親善をこなされてきた。6月には愛知県で開催された「全国植樹祭」へ臨席されるなど、まさに八面六臂の活躍といえる。

「雅子さまは元外交官のキャリアウーマンということもあり外国語に堪能で、英語はもちろんフランス語も通訳が必要ないほどの語学力をお持ちです。また、各国の国際情勢や文化背景などを充分に理解されていて、その能力をいかんなく発揮されておられます。

 しかし一方では、そうした周囲からの高い期待値の中で公務に臨むのは、重圧に違いありません。相当に気を張った日々が続いています」(前出・宮内庁関係者)

◆ふとお疲れを感じさせる表情が浮かぶ

 皇族方が公務などでお出ましになるにあたっては、事前に主催者や報道関係者に対し、連絡が入る。御代がわり以降、両陛下お出ましの案内には、3つのパターンがあった。

「前もっての連絡は 『両陛下がお出まし』『天皇陛下がお出まし』『天皇陛下がお出ましで皇后陛下はご体調次第でお出まし』の案内方法があります。

 例えば、6月21日に麻布保育園(東京・港区)を両陛下で訪問されたのは、『皇后陛下はご体調次第』という案内でした」(皇室ジャーナリスト)

 実のところ、雅子さまのお出ましが直前の変更になっても、さほど大きな影響はないという。

「ほとんどの場合で、主催者側には天皇陛下をお迎えする準備ができています。雅子さまがいらした場合でも、椅子を1つ追加するだけという程度の対応で済むので、特に手間はかかりません。むしろ、直前の決定でもいらっしゃっていただけた方がありがたいという声は多い」(前出・皇室記者)

 お迎えする行事やイベントには、雅子さまを一目見たいと心待ちにする参加者は多い。そうした気持ちを、雅子さまがいちばんよくご存じだ。ある皇室関係者が言う。

「公務に出られ、衆目のあるところでは、決して笑顔を絶やされません。もちろん賓客の前では、国の代表として気品と気遣いが溢れる応対をされていらっしゃいます。

 しかし、裏に入ると、ふと重圧やお疲れを感じる表情を浮かべられることがあります。フーッと大きく深呼吸をされている場面もありました。 療養中でありながら、連日のお務めを果たされているのですから、無理はありません。雅子さまはそうした苦悶の表情をひた隠しにされながら、日々の公務に向かわれているのです」

 ただし、いくらそうした強いご覚悟をお持ちでも、15年続いているご病気は簡単には抑え込めるはずがない。前述の御養蚕所ご訪問もそうだが、多くの人の目に触れない、私的なお務めは、大事をとって休まれることも少なくない。例えば、6月16日、香淳皇后のご命日に執り行われる宮中祭祀「香淳皇后例祭」に、雅子さまは出席されなかった。

「宮中祭祀は、伝統的な装いを特殊な方法で身につけるなど、女性皇族に多大な肉体的負担をかけます。

 雅子さまにはこれから秋にかけて、ご自身が主役になられる行事や、多くの人が出席を期待する公務が立て続けに待ち構えています。限界に近い状態とは思われますが、側近と話し合われながら、薄氷を踏むような調整をされつつ、“本番”に臨まれるはずです」(前出・皇室ジャーナリスト)

※女性セブン2019年8月1日号

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