インスタグラムのいじめ対策機能 確信犯には通用せず

インスタグラムのいじめ対策機能 確信犯には通用せず

新学期、SNSいじめに注意が必要(写真/ゲッティイメージズ)

 2013年に「いじめ防止対策推進法」が施行されてから、学校はいじめ問題により緊密に向き合うようになった。そのため、いじめが発覚しやすくなり、認知件数は増えた。一方で、大人にバレないようないじめの方法が蔓延しているという。それが、SNSいじめだ。

「ここ数年で、暴力などの目に見えるいじめから、SNSを舞台にした見えにくいいじめに手段が移行しています」 

 と語るのは、ストップイットジャパン代表の谷山大三郎さんだ。

「学校内でなんらかの人間関係のこじれがあり、その延長としてネット上でも仲間外れなどをするわけです。教室内でのいざこざなら教師も対応できますが、ネット上となると、対応しづらいのが現実です」(谷山さん)

 しかも加害者は、表立って攻撃すると問題になることがわかっているケースが多く、外部に気づかれず、かつ、証拠が残らないよう、巧妙な手法で精神的苦痛を与えてくる。

 たとえば、LINEの「ステメ(ステータスメッセージ)」にいやがらせの言葉を書くタイプのいじめなどは、外部から実態を掴むのは困難だという。

◆周囲がいじめに注視することが抑止効果に

 そんな中、「インスタグラム」は今年7月、いじめ対策の機能を拡充すると発表。投稿前の不適切なコメントをAIが検出して利用者に警告したり、特定のアカウントのコメントを非表示にできるという。果たしてこの機能は有効なのか。国立大学附属中学校の校長で、いじめ問題を研究する千葉大学教育学部教授の藤川大祐さんはこう話す。

「悪意なく人を傷つけてしまうケースには有効かもしれませんが、確信犯には通用しないでしょう。SNSいじめの加害者はバレることを警戒しています。ですから、“死ね”などの明確に不快な言葉では攻撃しません。被害者だけが傷つく言葉を選んで発信するのです」(藤川さん)

 とはいえ、社会全体がいじめに関心を持つことは、大いに意義があるという。

「中学生・高校生は“空気感”を大切にします。親や先生、同級生がいじめに注意を払うようになり、“SNSに悪口を書くと大ごとになるかも”という空気が広がれば、やりづらくなる可能性はあります」(藤川さん)

※女性セブン2019年9月19日号

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