セクシー女優HIV感染騒動後の変化、検査強化と“女尊男卑”

セクシー女優HIV感染騒動後の変化、検査強化と“女尊男卑”

実際に男優が提出した性病検査表

 2018年10月、第三者機関「AV人権倫理機構」の報告を本誌・週刊ポストがいち早く報道したことによって、某AV女優のHIV感染が明らかになった。専門機関の診断の結果、当該女優の感染源はAVの撮影現場ではなかったこと、その女優と接した男優にも罹患者がいなかったことが発表されたが、その後、AV業界にはどんな動きがあったのか。あるAV監督はこう話す。

「騒動以降、性感染症へのチェックは厳しさを増す一方です。実は今年4月、さらに“事件”があったんです。ある撮影現場で尖圭コンジローマという男性器にイボができる性感染症に罹患した男優が現場に来てしまい、当日バラシ(撮影中止)になりました。

 最近は男優も女優も、撮影前に性感染症の検査表を見せ合うルールがありますが、コンジローマは義務付けられた検査項目に入っていなかったんです。その男優はひと目見れば分かるほど症状が進んでおり、すぐにバレてしまった。それを契機に、検査表を見せ合う以外にもう一つのチェックを行なうようになりました」

 この新しいチェック方法について現役のAV男優が語る。

「ある大手メーカーでは、撮影前に検査表を見せ合うとともに、監督と女優の前でパンツを脱いで女優の気が済むまで男性器を目視するチェックが行なわれるようになりました。3秒くらいチラッと見て終わる方もいれば、上下左右を見たり、匂いをかいだりする女優もいます」

 男優が複数いる現場では、2人同時にチェックすることもあれば、タイミングを見計らって1人ずつ順次行なうケースもある。だがこの新チェックには男優から不満の声が上がっているという。芸歴20年以上のベテラン男優が胸の内をこう明かす。

「雰囲気作りが難しい現場に追い打ちをかけるような情緒を破壊する行為です。素人が目視したところで正確な診断ではないですしね。

 コンジローマの件は同じ男優として恥ずかしい限りですが、検査の問題点も感じます。この業界は“女尊男卑”が根強いんです。男優は検査機関まで指定されているのに、女優はどこで受けてもいい。男優が指定された病院は顔写真付きの身分証が必要ですが、初めての女優は替え玉検査だって可能ですし、検査としての信用度が落ちます。最終的にはそれぞれの倫理観を信用するしかないのです」

「安全」を巡る業界の模索は続く。

※週刊ポスト2019年10月11日号

関連記事(外部サイト)