前澤友作氏が本音を語った「なるべく嫌われたくはない」

前澤友作氏が本音を語った「なるべく嫌われたくはない」

笑顔でインタビューに応じた前澤友作氏

 9月12日、インターネット衣料通販大手ZOZOが、ソフトバンク傘下のヤフーに買収されることが電撃発表され、それに伴い創業者の前澤友作氏が社長を退任した。かねて前澤氏に批判的だった週刊誌の反応は厳しく、『週刊文春』9月19日発売号では「ZOZO前澤『人間失格』経営」、『週刊新潮』同日号では「ZOZO『前澤社長』涙と美談に隠された『火の車』」といった記事が相次いだ。

 それに対し、前澤氏はツイッターで、〈僕の借金は約600億円です。株を担保に入れたローンを組んでいます。どうしても欲しかった現代アートや宇宙渡航のチケットにお金を使いました。一部報道で、借金は2000億円、と出ていますが事実ではありません〉(9月22日)と反論。最近はツイッターでの発言を控えてきた前澤氏の反論は大きな反響を呼んでいる。果たしてその真意とは? 渦中の前澤氏が、プロインタビュアーの吉田豪氏の取材に答えた。

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──『文春』&『新潮』制覇おめでとうございます!

前澤:制覇! 制覇しちゃいましたか(笑)。

──どうですか、これだけ騒がれる気分って。

前澤:いやいや、今回が特別なわけでもなく前からだいぶイジられていたので。だけど総力取材なさったようで、僕の友人知人、はたまた大先輩の経営者に至るまで、いろんなところに取材を、なんで携帯知ってるんですかっていう人にまで直電で。

──それを読んで腹が立ったりはするんですか?

前澤:いやいや。彼らもそれなりには取材をされているんで8割方はホントなんですが、2割ぐらいはとてつもないフェイクで。そんなに調べたのに2割もフェイクを書いちゃうんだなって。一般の新聞の報道だったら考えられないじゃないですか……。あまりにも悪質なフェイクニュースに関しては僕も何度も考えたことはありますよ、訴えてみようとか、名誉棄損だとか損害賠償とか。でも実際1回もやったことはないですし、今後も面倒くさいから、やるつもりはないですけどね。

──ツイッターで反論するぐらいでいいんですね。

前澤:そうそう。いままでは上場企業でしたから、たとえば数字の話とか事業に関わることっていうのは反論したくても反論できないことがいっぱいあったんですが、今後は見つけちゃったら、泣き寝入りしないで、その都度反論してもいいかなと。その方が見てるほうも面白くないですか?

──意外と客観的なんですね。

前澤:そうですね。そりゃやっぱり嫌われたくないんですよ。なるべくはね。だって生きづらくなるじゃないですか。嫌われたら。

──そんなに嫌われるようなことはやってないはずの人なのに、なんでこうなってるんだろうなって思いながら見てます。

前澤:そうなんですよ! ぜんぜん嫌われるようなことはやってないつもりなんですけどね。

──ホリエモン(堀江貴文氏)とかならわかるじゃないですか。嫌われてもいいやっていう腹のくくり方でやってる人で。

前澤:そうですよね、僕はあんな大胆に言ったりやったりできないですよ、これでも嫌われたくないですから。

──ダハハハハ! かなり気遣いが見え隠れするので。

前澤:ホントに! 会うと「意外と謙虚なんですね」とか、言われるんですよ。「メディアが作り上げたイメージと実態はぜんぜん違うんですね、思ったより小柄ですし」みたいな、「それは関係なくないですか?」っていう(笑)。

──どうしても日本は「お金がある人間はある程度叩いてもいい」みたいな空気があるじゃないですか。

前澤:そう、無条件で。

──で、そういう人がちょっと失敗っぽいことをした瞬間に。

前澤:「ざまあみろ!」と。ホント、お金を持てば持つほど、世の中の人は、いいなと思ってるんでしょうけど、持てば持つほど嫌なことだって増えますよ。だから神さまは見てるんだなと。ただただお金を持たせてはくれないんだな、と(笑)。持ったら持ったで、それなりに大変なんだなっていう。どこかで見てますよね。ただ、楽しいか楽しくないかでいったらもちろん楽しくやってますよ。

──もうちょっとうまく稼いで、そんなに矢面に立たずにうまくやってる人もいると思うんですよ。たぶんメディアに露出すればするだけ風当たりも強くなる部分があると思って。

前澤:それもそうかもしれませんが、だんだん世の中から注目されはじめて、昔は何か買ってもいちいち人に言うこともありませんでしたが、そのうち買うものが買うものなのでバレはじめて……。

──金額がデカすぎるから(笑)。

前澤:それがまたフェイクの記事につながったりして。何を買ったらしい、いやいや、そんなのは買ってないし。何億したらしい、いやそんなにしてないし。いやその10倍高いし、みたいな。そういうのが続いているうちに、もう面倒くさいから目立つものを買ったときは全部憶測で書かれるより言っちゃおう、と。

 それを欲しい人から見たら、いいなってなるし、夢あるなってなるし、その人にとってのやる気とかにつながるだろうしって思ったんですよ。だからジェットも買いました、アートも買いましたって、どんどん言うことにしたんですよ。そしたらフェイク記事じゃなくなったけど、逆に前澤ふざけんなみたいな。

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 前澤氏への取材は70分に及んだ。ここには収録されていない前澤氏の人物像を“深掘り”したインタビュー記事は、10月7日発売の『週刊ポスト』(10月25日・11月2日号)に掲載される。

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